ワイカト大学で手続きをする

 インターネットカフェでメールチェックをすると、ワイカト大学関係者から、私の知人である幸子さん(仮名)に至急電話をして下さいというメールが入っている。幸子さんはたまたまメールで知り合った方で、面識はないけれども、いろいろと私の質問に答えていただいていた。彼女がいなければ私はワイカト大学(The University of Waikato)に来ていなかっただろうと思う。それほど、いろいろと教えていただいた方である。
 さて電話をかけるにしても、まずどこでテレフォンカードを買ったらよいのか、わからない。郵便局らしきところで聞いてみると、ここでも買えるという。30ドルのカードを買って、公衆電話でかけてみる。カードの裏面にある番号を入力し、また別の番号を入力すると、自分でPIN(暗唱番号)を設定するシステムになっているらしい。自分の暗証番号を設定すると、オークランドにかける場合は、何番を押せとか指示されるが、私がかけたいのは、ローカル番号で、ここハミルトン市内である。通行人に聞いてみても埒があかない。結局、カードは使ったけれど、オペレーターを呼んで、オペレターにかけてもらった。どうやらカードにはいろいろな種類があって、私は市外局番用のカードを買ってしまったらしい。
 ワイカト大学(The University of Waikato)の関係者に、すでに私がハミルトンに到着したことは当然メールでお知らせしておいたが、幸子さんから話を聞くと、すでにホームステイの家庭が準備されているとの嬉しいお話だった。明日から、宿をひきはらって早速移れるという。こうした彼女の親切は、私のような何もできない外国人にとってはとても嬉しい。幸子さんにお礼を行って、大学に向かう。
 まず、図書館に行き、ここで働いている日本人司書の浩二さん(仮名)に挨拶をする。この方も4月にワイカト大学(The University of Waikato)に来た際にいろいろと教えてもらった親切な方だ。日本なら全く問題はないけれど、いろいろな方の親切がなければ、私は何もできない環境に今ある。私が出発の前日に送った書籍の荷物がすでに図書館に届いているという。EMS*1はなんとも早い。
 大学での手続きは結構面倒だった。インターナショナルセンターに行くと、同じく順番を待っていたインド人の学生と挨拶をかわした。彼は1週間前から来たという。好感のもてる青年だ。こちらもとても感じのいい受付の女性が、ゲートウェイ(Gateway)に行ってくださいという。ゲートウェイは教務関係の受付のような部署だ。このゲートウェイに行くと、2学期が始まる前の混雑ぶりで、学生の長蛇の列。IDナンバーを発行してもらって、今度は、文・社会科学部(Arts & Social Sciences)の学部に行ってくれという。文・社会科学部でキャサリン(仮名)という感じのいい女性担当者の個室に通されると、彼女は、TOEFL受験の際に撮られた私の写真で私の印象が記憶に残っていると言ってくれた。ワイカト大学は、その規模からして、ローカルな感じがしていて、とてもいい。人間的な感じがするのだ。彼女は受講科目を確認し、私の個人用時間割をプリントアウトしてくれた。
 彼女の応対の感じはとてもいいのだが、それでも、学生にあちらに行け、こちらに行けというシステムらしく、再度ゲートウェイに行かされた。ゲートウェイで、今度は保険に入った。あとは、学費を支払って、署名をするだけのようだったが、すでに4時。職員が表の看板に今日は終わりと、マジックペンで書き始める。
 こちらニュージーランドでは、4時か5時には仕事が終わってしまうようで、そうした時間までに用事を済ませないといけないと聞いていた。学費の支払いの件で、旅行小切手やエフトポス、それにクレジットカードと、いわば「合わせ技」で支払えるかと保険担当者に聞くと、問題ないという。それなら、私もニュージーランドの流儀にならって、あとは月曜日にやることにしよう。
 ワイカト大学で、あっちへ行け、こっちへ行けと、はっきり言って、小突きまわされたけれど、不思議と腹が立たない。職員がフレンドリーだし、大体職務中に音楽なんか聞きながら、鼻歌まじりで仕事をしている雰囲気だ。にもかかわらず、これは彼らの名誉のために書いておくが、それでそれほど非効率というのでもない。
 手続きはかなり面倒だったが、スローライフニュージーランドは悪くないという印象をもった一日だった。

*1:EMSとは、国際スピード郵便物のこと。