ワイマング火山渓谷も見所がいっぱいですごい所だ

 ワイオタプ(Waiotapu)からワイマング道路を通ってワイマング火山渓谷(Waimangu Volcanic Valley)を訪れた。ここは歩いてロトマハナ湖(Lake Rotomahana)に至る山歩きが楽しめるのだが、先ほどから小雨が降り続いている。カフェで一休みしてから、雨合羽を身に着けて、歩き始める。
http://www.waimangu.co.nz/
 1886年に爆発したテラウェラ山(Mt Terawera)は、このロトマハナ湖の東に位置し、この爆発によって世界的に有名であったピンクとホワイトテラスが破壊されてしまったという話はとても有名な話だ*1。ピンクテラスが健在だった頃は、ここワイマング火山渓谷がロトルアでは最大の呼び物であったらしい。つまり、大噴火が観光客の流れまでを変えてしまったというのだ。
 けれども実際に歩いてみると、このワイマング火山渓谷は、たしかにワイオタプ以上にものすごいところだ。
 まずビジターセンターからして、1917年のエコー火口の大噴火によって今のビジターセンターがある場所にあった宿泊施設を破壊し、2名の犠牲者を出したというから怖い。そのエコー火口(Echo Crater)に水がたまり、フライパン湖(Frying Pan Lake)になったというのだが、フライパン湖という命名がなんともすごいではないか。爆発後のクレイターに水がたまったという話だから、フライパン湖の湖底は沸騰しているらしいが、放熱作用などにより湖の温度は55度と低く保たれているという。
 フライパン湖から渓流が流れ出しているのだが、この流れも当然酸性の温泉で、50度ほどの温度で、1秒間に110リットルも流出しているらしい。湖全体が温泉というのもすごいが、温泉の渓流というのもめずらしい。フライパン湖近くには、世界最大の間欠泉の跡もあり、掲示板で説明が掲示してあった。
 インフェルノ火口湖(Inferno Crater Lake)も奇妙な湖で、宝石のようなミルキーブルー色をしていて、湖の水位は複雑な周期を繰り返して増減しているし、その増減はフライパン湖とも関連しているという。
 途中、階段状の段々のような場所があり、この台地は、ピンクとホワイトテラスに似た物質からできていると説明があった。素人考えだが、おそらくこれはワイオタプのプライムローズテラスのようなものなのだろう。魚のうろこの文様は、長い歳月をかけて形成されていくわけだ。
 1886年の大噴火の地層などもはっきりと観察できるワイマングは、地学の教師にはこたえられないフィールドに違いない。
http://www.waimangu.co.nz/photo.htm

*1:テラウェラ山の噴火は、1886年6月9日のできごと。以下のサイトを参照のこと。http://history-nz.org/plateau.html