ロトマハナ湖からタラウェラ山を眺める

 ワイマングのウォーキングの最終地点はロトマハナ湖(Lake Rotomahana)になる。実はロトルアのロトも、ロトマハナ湖のロトも、マオリ語で「内側」「湖」という意味だから、ロトマハナ湖は、建長寺のことをイギリス語でKencho-ji templeというのと同じように、重複していて本来は不必要(redundant)だ。
 このロトマハナ湖は船でまわれるというが、最終便の3時40分の船はとうに出ていて、残念ながら乗ることはできなかった。ロトマハナ湖のこの先に1886年の噴火で壊されてしまったピンクテラス跡があるはずなのだが、どうせ今はその跡地しか見ることはできないのだろう。ただ、ロトマハナ湖を眺めているだけでも、私には気持ちが良かった。
 このロトマハナの向こうに見えるタラウェラ(Tarawera)山が、1万8千年もの間に5回噴火を起こしたと言われている山である。とりわけ近年で目立った動きは、1886年の大噴火、1900年から1904年にかけてのワイマング間欠泉の活動、そして1917年のエコー火口の噴火が重要なものだったという。これらの活発な温泉源にはさまれているロトマハナ湖は、今やニュージーランドの在来種や外来種の鳥や動物類の宝庫になっていた。
 ワイマング地熱地帯は見所がいっぱいで、散策が楽しいところだが、帰りは、定刻どおりに運転されているバスに乗って帰るつもりだった。乗客は韓国人男性二人と、二組のカップルだけだった。運転手が最後の客がいないか探しに行って一人の女性と帰ってきたから、彼女が最後のクルージングの客だったのだろう。メガネをかけたその白人女性に、ロトマハナ湖を船でまわったのかと聞いてみたら、そうだと彼女は言った。
 ワイオタプといい、ワイマングといい、ロトルアは見所満載で、実際、何日いても飽きることがないところだ。