ジュディに言わせると、ロトルアは商業化され過ぎているということになるのだけれど、たしかに、レインボースプリングス(Rainbow Springs)の近くにあるスカイゴンドラ(Skyline Gondora)のスカイラインスカイライド(Skyline Skyrides)などは、その最たるものだろう*1。
こうしたレインボースプリング*2やスカイゴンドラは、ニュージーランドにあって、少し観光的・商業主義的な場所だ。
これらには私も行ったことがあるけれど、悪くはない。だけれども、例えは悪いが、白樺湖や芦ノ湖の遊覧船に乗っているような気分になる。
私の言いたいことは、自然の遊びじゃないってことだ。私はまだ行ったことはないが、羊の毛を刈るショーなどもあるけれど、それも少し興醒めじゃないかと思っている。
前にも書いたように、日本人ツアー客で、ほんの数日のニュージーランド滞在なら、観光バスに乗って来るしかない。そして、ロトルアでは、ポリネシアンスパに入り、ファカレワレワに行くのが定番コースだろう。でもそれなら、「なんだ、ロトルアって、単なる田舎町なのね」くらいの印象を抱くだけだろう。しかし、それでは、ロトルアの本当のよさはわからない。
ロトルアでは、のんびりしながら自然の遊びをした方がいい。
さて、お風呂を楽しんだあとで、食事をどこでするかが重要だ。
ロトルアに来ると、無性に日本料理屋に入りたくなるのが私の常で、今回もポリネシアンスパ近くの日本料理店に入ることにした。
韓国の女性が入口にいて、話を聞いてみたら、この店を初めて1年とちょっとしか経っていないと説明してくれた。
彼女が注文を取りにくるのかなと思っていたら、日本人の若い女性がやってきた。
ここはひとつ、日本語でなしに英語で通して彼女と話してみよう。
飲み物のメニューを見ると、ロサンゼルスで世話になったトニーの大好きな「南島の誇り」(the pride of the South)と自称するスパイツ(Speight's)があるではないか。
このビールを頼んで、サーモンの刺身と焼き鳥をつまみとして注文する。メインディッシュは、ビーフステーキに決めた。
この日本人ウェイトレスは、2ヶ月前に来たらしいが、彼女は、ワイオタプ(Waiotapu)もワイマングー(Waimangu)も行ったことがあるという。
素直に私はこうした日本人がいることに感動した。ワイオタプもワイマングーも素晴らしい見所なのに、見過ごされていることが少なくないように思っていたからだ。
窓際で食事をしていたら、先ほどポリネシアンスパで一緒だったアイルランドのカップルが路上を通り過ぎて、私に手を振ってくれた。
スパイツを2本飲んで、焼き鳥、サーモンの刺身、テリヤキビーフとアイスクリームを食べて、全部で50ドル。ニュージーランドでは、チップもいらないから気が楽だ。
トイレに行くと、カラオケルームも奥に何室かあるようで、ホテルカリフォルニア*3を下手くそなカラオケで歌っていた。
どこの国の人間が歌っているのかは知らないけれど、もし彼が日本人で、例のオークランド・ロトルア・ワイトモだけをまわる三角形の旅行者だとしたら、これほど悲しい旅もない。大体、ここはカリフォルニアではなくて、ロトルアだ。
ロトルアの楽しみ方は全く違うものだと再度確認をして、私は勘定を済ませた。
*1:ここには山から降りるルージュがあり、子どもや家族連れに人気の場所だ。レストランは夜まで営業しているので、デートスポットにもいい。http://www.skylineskyrides.co.nz/
*2:レインボースプリングの正規のサイトではないが、例えば、以下のサイトで紹介している。http://www.leadingattractions.co.nz/new_zealands_leading_attractions/rainbow.htm
*3:‘Hotel California’の大ヒットを飛ばしたEaglesは、私も数枚持っているが、Eaglesは甘ったるくて聞けたもんじゃないと酷評する辛口評論家が少なくない。この前ニュージーランドを訪れた元イーグルスのメンバーは、自分が愛用者であったことを反省して麻薬撲滅キャンペーンをはっていた。