マーガレットとジェフに、ホストとして食事を出す

 「夕ご飯は済ませたの」とマーガレットとジェフに聞くと、「気にしないでいいと電話では話しておいたんだけど、実はまだなんだ」という。
 土曜日には自動車選びができるように、例のCALLの課題で、金曜日は真夜中の1時まで、そして土曜日は早朝5時30分に起きて、課題文献をふたつ読了し、「要約」「意見」「質問」のアップロードをなんとか終わらせたのだが、今回はたまたま相手がイボンヌだったけれど、昨日日曜日は、他の学生の質問に答えないといけない日だったので、結構忙しく勉強をしていた。
 それでも、勉強の合間に、私はチャーハンを3人分ほどつくっておいた。彼らが早目に到着したら、「課題があるので、俺がチャーハンをつくるから、何か一品作って」と提案しようと思っていたのだ。
 「チャーハンの残りがあるけど、食べる」と聞くと、食べるというので、オーブンで温めてあげることにした。「お腹はぺこぺこかな」とジェフに聞くと、「いつもぺこぺこ」と冗談を言うので、フリーザーから、フリージングしてあるビーフシチューも温めてあげた。
 ビーフシチューは、塩・コショウがあまりきいていないから、最後は、自分たちでやってとマーガレットにあずけると、彼女はビーフシチューの汁を少なめにして、ひとつの皿に、チャーハンとビーフシチューの具を盛りつけた。
 いつもは、テーブルにテーブルクロスをして、きちんと食べるのだが、マーガレットとジェフは、私が昼飯を食べるときのように、アテネオリンピックをテレビで観ながらソファで食べている。一部始終を観察して、なるほどねと、私は納得をした。
 ところで私がつくったチャーハンだけど、鳥肉は、解凍し、塩・コショウして、さらにガーリックパウダーを多少かけ、醤油と日本酒を少々入れて漬け込んでおいた。海老は、これも解凍し、塩・コショウして、少しだけ日本酒を入れておいた。あと、卵をといて、具はこの三つを使った。
 熱したフライパンで卵を塩・コショウして炒め、別の皿に取っておく。次に鶏肉を強火でよく炒め、別皿に取り、さらに海老を炒める。具が全部できあがったところで、さらにフライパンに油を入れ、残り物のご飯だけを強火で炒め、ご飯が炒まってきたところで、具を全部入れ、さらに炒めて、塩・コショウで味をととのえ、少しだけ醤油を入れて香りづけをする。最後の味つけは、彼らの好みにもなるように、マギーブイヨン系のインスタントスープを別に作っておいて、出来上がりに少々これをかけて味をととのえる。
 その成果のほどは、「このチャーハン、おいしいね。俺たちも結構ライスは食べるんだ」と、ジェフがおかわりをしていたから、まずまずのできだろう。
 食事の前に、「ビールもワインもあるけど」とすすめたら、ジェフは「それならビールをもらおう」という。いくつか集めたビールの中で私の好みのひとつベルギーのステラ アルトワを出したら、「こいつはなかなか高いビールなんだ。アレックスに言ったら驚くよ」と教えてくれた。「マーガレットはビールを飲むの」と聞くと、「飲むなら彼女はワインだ」というので、ワインを持っていくと、どうやら今日は昼飯時にワインを飲んだので、今はよさそうだ。
 眼の様子を聞いている際に、アルコールはあまり眼によくないそうで、実際この前ビールを飲んだのは、このアレックスの家でのことで、それ以来飲んでいないという。「すすめて悪いことをしたね」と私が言うと、「いや、少しなら大丈夫なんだ」とジェフは言った。