ワイカト川のエイトの大レース

ケンブリッジ大学へのハカ

 今日は土曜日。
 ワイカト川で大レース(the Great Race)があると聞いていたので、行ってみた。ワイカト大学(The University of Waikato)と、イギリスはケンブリッジ大学のエイトの一戦だ。この試合は、市民広報で知っていたのだが、昨日のチャンネル1でも、天気予報のときなどにハミルトンの紹介として、この大レースについて触れていたから、結構有名なもののようだ。
 2年前には、ワイカト大学(The University of Waikato)がケンブリッジ大学を破ったと市民広報に書いてあった。ワイカト大学が連続勝利すれば、ワイカト大学(The University of Waikato)の一学生として私も祝わないといけない。今日は車でなしにバスでシティセンターに向かった。
 バスは、ブリッジ通りを通らず、迂回してシティセンターに到着した。どうやら、いつも車が忙しく通るブリッジ通りは、大レースのために交通規制があるようだ。
 ブリッジ通りまで歩いて着いてみると、まさに車両はシャットアウト。橋の両側に通行止めがされている。ブリッジ通りの橋の上には、巨大TV画面の車両が駐車していて、特設スクリーンが設置されている。報道クルーも多い。巨大スクリーンの両脇には、風が入ることで膨らんで、お辞儀やいらっしゃいをする大きな風船人形がワイカト川に向かって応援している。この人形はカーディーラー会社でよく見かけるから、おそらくカーディーラーの提供によるものかもしれない。
 交通規制は、ワイカト川を見下ろす形でレースを見物できるための配慮でもある。橋の上には、模擬店と見物人がずらりとならんでいる。
 私が車を買った中古車ディーラーも、値段の高めの中古車を往来に並べているし、子供が遊べるような簡易特設会場もある。さらに大道芸人が見物人を集めている。アイスクリーム屋は出ているが、ビールなどは売っていない。日本の焼きそば、たこ焼き、缶ビールという路線とはちょっと違っている。
 野外コンサートが始まり、コンサートの様子をテレビの大画面で映しだす。乳癌のキャンペーンのボランティアたちもカンパを訴えている。市長選挙も近いようで、空ではグライダーが市長選はだれだれをお願いしますと垂れ幕をつけながら旋回していて、その候補者に批判的な市民が、グライダーに対して否定的に反応していた。
 いつもは車に乗っている市民が多く歩行者が極めて少ないハミルトンだが、今日ばかりは例外だ。たくさんの見物人が集まっている。市民は敷布を河川に敷いて見物。サンドイッチやケーキの交換会状態だ。それにしても子ども連れも多いが、老人も多い。大レースを見物しようと、おじいちゃん、おばぁちゃんが大変元気だ。
 女子部門で、ワイカト大学とメルボルン大学のエイトや、ワイカト大学(The University of Waikato)の女子がマオリのワカ(カヌー)に乗ってデモンストレーションをしたりと、なかなか楽しいけれど、やはり最大の見ものは、ケンブリッジ大学とワイカト大学との一戦である。
 この大レースのスタート位置につく前に、ブリッジ通り下のボートハウス前で、ケンブリッジ大学のクルーとワイカト大学(The University of Waikato)のクルーが対峙するかたちで向かい合った。ケンブリッジ大学のクルーの前で、マオリのハカ(Haka)ダンスが始まった。目玉を大きく見開いたり、舌を相手に突き出して威嚇するダンスだ。見物人から拍手がわきおこり、いよいよスタート位置まで両大学のクルーが艇を出す。
 ブリッジ通りにある艇の倉庫・ボートハウスからワイカト川に艇を出し、下流に4.5キロほど下る。試合は、その地点から私たちのいる上流に向かってスタートし、ゴールは私たちのいるブリッジ通り付近になる。