チュートリアル最後のマオリ語の口頭発表が終わる

 「ビーチに行く」というテーマでチュートリアル最後の口頭発表の課題が与えられたのは1週間前のこと。応用言語学やCALLの課題もあったので、メンターのジョンに手伝ってもらって原稿ができたのが、今週の火曜日。原稿の最終手直しをしたのが水曜日だ。それで、なかなか覚える気にならず、始めたのが木曜日。つまり前日だ。
 ICレコーダーに自分の音読を吹き込んで、聞いてみる。こんなに覚えられるのかなという気分になる。
 最初の一文を覚えて、二文へ。一文から、二文、三文へと順番に覚えていった。挨拶を抜かして、17行もあるので、なかなか覚えられない。仕方がないので、ずるをして二行だけ削った。これでも、大体2分間の口頭発表になる。
 以下、日本語ヴァージョン、イギリス語ヴァージョン、マオリ語ヴァージョン、そして、遊び心で書いた私的日本語表記マオリヴァージョンを紹介する。
 最後の変てこな表記はもちろんお遊びに私が考えたもので、正統なマオリ語研究者には怒られると思うのだけれど、書き言葉をもたなかったという意味でマオリ語は音声重視の言語と言えるのだろう。それで、たとえば「本」を意味する「プカプカ*1」(pukapuka)のように、日本語と同じく、「子音+母音」というパターンだから、マオリ語を表記すると長くなって読みづらいということがあるのではないかと考えるようになった。
 ひらがなはもちろん漢字はさらに、この「子音+母音」を、まとめた表記になるから、短くて済む。だから、マオリ語の意味を全く考えずに丸暗記で対応するなら、日本語マオリヴァージョンの方が有利だろう。
 この私的日本語表記マオリヴァージョンを読んでみると、ちょっとマオリ語の感じが出てくる。
 以下、その4つのヴァージョンで紹介してみよう。


 カーフィアについて、私は日本で聞いたことがありませんでした。
 I have never heard about Kawhia in Japan.
 Kāore anō au kia rongo mō Kāwhia, i Japan.

    • 香れあの 会うキア論語 もカーフィア いジャパン

 もちろんカーフィアには行ったこともありません。
 Of course I have never been there.
 Kāore anō au kia tae atu ki reira.

    • 香れあの 会うキア耐え圧 きれいら

 カーフィアについては、ガイドブックで読んで行きたくなりました。
 I read about Kawhia through a guidebook and I wanted to visit Kawhia.
 I pānui au i te pukapuka mō Kāwhia, ā, i tino hiahia au ki te toro atu ki reira.

    • イぱー縫い 会う射てプカプカ もカーフィア、あー、イ千野冷や冷や 会う 来て土呂圧 きれいら

 カーフィアはハミルトンの郊外にあります。
 Kawhia is outside of Hamilton.
 Kei waho a Kāwhia i Kirikiriroa.

    • 系和歩 あカーフィア いキリキリロア

 カーフィアは小さな町ですが、タイヌイの人々にとっては大変有名なところです。
 Kawhia is a small town, but it is a very important town to(for) Tainui.
 He iti te tāone o Kawhia, ā, rongonui ana hoki ki a Tainui.

    • ヒ位置 手ターオネおカーフィア、あー、論語縫い 穴補記 きあタイヌイ

 何故か
 Why?
 He aha ai?

    • ヒあは愛

 タイヌイのカヌーがここに到着したからです。
 Tainui Canoe arrived here.
 I haere mai te waka o Tainui ki konei.

    • イハエレ舞 手和歌おタイヌイ きコネイ

 いつ?
 When?
 Nōnahea?

    • 脳ナヒア

 14世紀に。
 In the 14th century.
 Nō te rau tau tekau mā whā.

    • 脳手ラウタウ手工マーファー

 彼らはハワイキを出て、新しい住処を探しました。
 They left Hawaiki to look for a new home.
 I wehe atu rātou i a Hawaiki ki te rapu kāinga hou.

    • イうぇへ圧 ラートウ いあハワイキ 来てらぷカーインガ法

 彼らはニュージーランドのマケツに到着しましたが、西海岸へと進みました。
 They arrived in New Zealand at Maketu, but went on to the west coast.
 I taenga mai rātou i Aotearoa, i Maketu, ōtira, i haere ratou ki te Tai Hauāuru.

    • イたえんが舞 ラートウ いアオテアロアいマケツ、オーティラ、イ入れラートウ 来て対ハウアーウル

 そしてとうとうカーフィアに終の棲家を見つけたのです。
 And finally they found their new home at Kawhia.
 Kite rawa atu rātou i tō rātou kāinga hou i Kawhia.

    • 来て羅和圧ラートウ 意図らーとうカーインガ法 いカーフィア

 博物館とマラエを私は訪れたいと思っています。
 I would like to visit the Museum and Maketu Marae.
 Ki tāku, he pai te whare taonga me te Marae o Maketu ki te toro atu.

    • 帰宅、非ポイ 手ふぁれタオンガめ手マラエおマケツ 来て土呂圧

 カーフィアは、夏は、魚釣りにいいところです。
 In summer, it is a good place for fishing.
 He wāhi pai a Kāwhia ki te hī ika i te Raumati.

    • 秘和費ポイ あカーフィア 来てヒー烏賊(いか) 射てラウ町

 海岸の砂浜には自然の温泉もあります。
 You can even find the hot springs in the sand.
 He puna wai koropupū ki reira.

    • ヒぷなワイ頃ププー きれいら

 近いうちに私は自分の車でカーフィアに行くつもりです。
 I am going to Kāwhia by myself in my car in the near future.
 Ka haere au ki Kāwhia mā runga i tōku motokā ā tōna wā.

    • 可入れ会う来キーヒア まールンガい特モトカー 亜戸名ワー

 シーフードを食べて、海岸でゆったりとスパに入るつもりです。
 I will enjoy seafood and have a spa at the beach.
 Ka kāinga e au he kai moana, ā, ka okioki ki roto i te wai koropupū ki reira.

    • 可下院が絵会う へ貝モアナ、あー、可沖沖 来ロト射てワイ頃ププー きれいら

 どうもありがとうございました。
 Thanks, my friends.
 Tēnā koutou e hoa mā.

    • テナー口頭 えーホアまー


 それで、発表だけれど、マオリの学生は、二手に分かれる。ひとつは、スピーチのスピードの速いもの、文化性のあるもの。もうひとつは、私ほど下手くそではないけれど、スピードの遅いもの、教室で習った表現を言うのがやっとのもの。
 外国人の場合、ハワイ出身のアリスは、上手だ。彼女の場合、外国人にもかかわらず、スピード感がある。ポツポツと覚えたものを言うしかないので、私のスピーチが一番下手くそで遅い。
 とにかく、これでチュートリアルが終わったけれど、あとは来週の、授業中の口頭試験がひかえている。 これは10個、講師から質問されて、それに答えないといけない。また、こちらから講師に5個の質問をすることになっている。それから、木曜日には、ペーパーの試験もある。
 2学期ももうすぐ終わりだから、試験の連続だ。

*1:プカプカは、英語からの借用語で、プカは、bookから来ている。だからプカプカは、そもそもはbookbookということになる。