ハミルトンのシティセンターの床屋に行く

隣の家との境の垣根

 ロサンゼルスで床屋に行こうと思ったのだが、結局、ロサンゼルス滞在中に、床屋に行くことはできなかった。
 自分の生まれ育った社会を出て、外から眺めることができれば、少しは自分の生まれ育った社会というものが相対化して見えるだろう。
 私は日本を出て、ニュージーランドに4か月以上滞在していたから、ロサンゼルスに滞在していたときは、いわば、「相対化の相対化」ができたような気がして、面白かった。
 床屋も、ニュージーランドの床屋に行ったことがあるから、ロサンゼルスの床屋を経験して、「相対化の相対化」をして、床屋さんの観察をしようと思ったのだが、それは結局のところ、できなかった。
 今日は、アングリシー(Anglesea)通り近くのKマート内にある床屋に出かけてみることにした。
 値段を聞いてみると、カットだけなら、10ドル。洗髪は15ドルで、床屋さんで洗髪するキーウィーはほとんどいないとのことだったが、床屋に行った後でシャワーを浴びるなんてまっぴらだから、私はお願いすることにした。
 ニュージーランドなら、チップもいらないから、その点は気が楽だ。
 ロサンゼルスのある床屋さんで聞いた値段は35ドルと言っていたから、腕のほどは全く知れないけれどニュージーランドの方が値段的にはかなり安い。
 この床屋さんには、何人か理髪師がいるのだが、私の担当した男性は、タウランガ出身で、オークランドにも住んだことがあるとのことだった。
 彼はオークランドはあまり好きではないようだ。それで今、ハミルトン郊外に住んでいるのだと言った。
 余暇は何をしているのと聞いたら、音楽だというので、聞いてみたら演奏も鑑賞もよくするという。
 ハミルトンで音楽を聞くとしたら、どこがお薦めか聞いてみたら、Sohlという場所を教えてくれた。どうやら「ソウル」(Soul)をもじっているらしい。ヴィクトリア通りにあるらしいが、ここのA Trainなんとかというジャズ系フュージョンバンドがいいと彼はいう。
 条件があれば、出かけてみることにしよう。
http://www.sohl.co.nz/
 この床屋さんによれば、ウエリントンは、風が強いけれど、劇場、映画、音楽など、文化を楽しむにはいいところだという。それでも風が強いんだけどねと、あくまでもウエリントンが「風の街」(Windy City)であることを強調していた。坂も多く、自動車は一方通行も多いけれど、文化を楽しむにはいい街だと、彼は言った。
 床屋の帰りに、ビディマリガンズ(Biddy Mulligan’s)というアイリッシュパブに寄ってみた。
 第三日曜日の5時から8時くらいまで、トラッドのセッションを毎月やっているという。
 条件があえば、こちらも今度寄ってみることにしよう。