フランクトンの土曜市に出かける

フランクトンの土曜市

 今日は土曜日。
 午前中は、昨日に続いて、ヘミと一緒に、フランクトン(Frankton)に出かけてみた。毎週、土曜日は、フランクトンで土曜市をやっているからだ。フランクトンの土曜市は、東京は上野のアメヤ横丁のような雰囲気が少しだけある。
 マオリのTシャツを中国人が売っているのが可笑しいと、笑いながらヘミが言う。
 ここのTシャツは、10ドルだが、モノはいいとは言いがたい。フランクトンの土曜市で売っているTシャツは、大体10ドルだ。20ドルのTシャツは、キーウィーからすると高すぎるが、20ドルの方がモノは断然いい。
 グリーンストーンのことをマオリ語でポウナム(pounamu)というが、空港なんかでは、高いものをつかまされるけれど、ここなら安いとヘミが強調する。
 たしかにフランクトンで売っているポウナムは、彫り方が凝っているとは言い難いし、クオリティも多少違う気もするが、シンプルなものなら、素材として、フランクトンで売っているポウナムは安い。10ドル代で、小さめのものが手に入る。小さめと言っても、7cmくらいあるから、日本人ならこれで十分だろう。
 ノンマオリ(非マオリ)がポウナムを売っている店を見て、ヘミは笑った。
 なんで可笑しいのと、私が尋ねると、「だって例えば、俺が、中国で、中国の伝統的なものを売っていたら、変だろう」とヘミは答えた。それもそうだと私は納得した。
 それにしても、ヘミは友人・知人が多い。
 フランクトンの土曜市に出かけても、あちこちで友人・知人に挨拶をしている。彼らの挨拶の仕方は、親指を立てるような格好で、手と手をパシッと合わせ、それから、そのまま手を引くような形で、名残を惜しむように、親指以外の指を互いにひっかける。
 午前中付き合ってくれて、家まで送ってくれたヘミに、私も同様の挨拶を交わして、別れた。