「人間は、言葉という素晴らしい道具を持っています」

という世の中にしないための18人の発言

 「憲法を変えて戦争へ行こう という世の中にしないための18人の発言 (岩波ブックレット657)」という岩波ブックレットを書店で見つけたので、買って読んでみた。
 「とにかくよかったのは、「戦争を放棄します」ということでした」(美輪明宏)、「だからこそ憲法が最後の砦だと思っています。ここで、戦争をしないという憲法を守れなかったら、もう全世界共倒れです。私が今言っているのは、反戦活動家じゃなくたって誰でも思う普通のことですよ。それを大声で言えなくなってしまっている今の日本は異常だと思います」(渡辺えり子)など、著名な各氏が自分の言葉で率直に意見を述べられているが、これらのコトバと同時に、「人間は、『言葉』という素晴らしい道具を持っています」(吉永小百合)という表現が私の心に残った。
 東京女子大学名誉教授の猿谷要氏が病を得て入院中であることをこの岩波ブックレットで初めて知ることとなったが、アメリカ合州国史関連の著述の多い氏は「アメリカのなかにも、リベラルな精神が、決して消滅してしまったわけではありません。私は復元しつつあるそういう勢力との結びつきこそ、これから将来に向かって日米関係のあるべき正しい姿であると信じています」と述べていたことも、これまで氏の著作から多くを学んできていた私にとって印象的だった。