教職員の「チーム力を大切にする学校運営」が重要

 それで、成果をあげている学校は、「教職員の間に信頼関係がある」という。成果をあげている学校は、「一人ひとりの力を引き出そうとし、課題を抱える教員をカバーしつつ、責任をおろそかにしない運営」をしているというのだ。これはあらためていう必要もないことなのだが、子どもを大切にするためには、教育力のある教師集団がどうしても必要だということだろう。
 昔から、教師集団という教育環境が重要であったことは言うまでもないが、昔は社会全体が、そこそこ教育的であった。だから、教員の個人芸も光った。今も教師の個人芸が重要なことは言うまでもないが、今日のように社会全体の教育力が落ちている時代にあっては、個人芸でできることはたかが知れている。その意味で、教師集団がまとまって取り組むことが今日ほど重要な時代はなかったであろう。多少大げさに言うならば、学力保障は、総力戦の闘いになってきているのである。
 「実践志向の積極的な学校文化」は、「教職員の「まずやってみよう」という雰囲気を意味している」という。「効果のある学校」は、「動くときは一斉に、ぱっと」という姿勢がみられるというが、私事で恐縮だが、この意味では、私の職場は合格だ。討議を重視して、徹底的に討議し、決まったら、みんなでやるという姿勢を堅持しているからだ。わが職場は、「教職員の間に信頼関係」があり、教員会議を重視している。
 「外部と連携する学校づくり」というのは、「家庭などの外部」という意味だそうで、その意味では、これは父母提携の意味だろう。これも今日ほど重要な時代はない。保護者は子どもの学力問題に心をくだいている。今日の学力問題は、保護者との連携・連帯なくしては、解決しえないだろう。
 「基礎学力定着のためのシステム」は、学力向上のための取り組みだ。これも当然のことだが、「学力保障部」などの校内組織を置いたり、「少人数分割」授業や「補充学習」など、多様な指導を導入しているという。
 「リーダーとリーダーシップの存在」は、「管理職の方針を徹底するというより教務、生徒指導、学年主任が中堅として動き、責任の所在をはっきりさせながら同じ方向に進む「教師集団」を目指していた」という。これもきわめて当たり前のことだ。
 ということで、今回の調査の詳細に関しては読んでいないが、子どもに対する深い分析など、さらにつけ加えるカギはありそうだが、先に紹介した学力向上のための七つのカギについて私に異論はない。