日本語学習に対する人気が中国では落ちているようだ

 それによると、「報道2001」のキャスター・黒岩祐治氏が書かれた「日本を再生するマグネット国家論」という本の中で日本が磁力を失っているということを証明するひとつのエピソードが紹介されているという。
 30年近く前に、ある親日家の中国人ジャーナリストが大学で日本語を選択したとき、日本語は外国語の中で一番人気であったため、厳しい競争を勝ち抜いて選ばれたのでとても誇らしく思ったという。
 ところが、そのジャーナリストが、最近、自分が講義をしている日本語選択の学生に、どうして君は日本語を選択したのかと質問したら、その学生は親の言うとおりにしっかり勉強してこなかったからだと答えたという。ちゃんと勉強していたら、こんなことにはならなかったと。
 つまり、いまの中国では、外国語学習として、日本語はすこぶる人気がない。成績下位の学生が日本語を取らざるをえないようなのだ。
 以前紹介したように、アメリカ合州国でも、日本語教育の人気が落ちていると聞いたことがあるけれど、こうした状況は世界のあちこちで生じているのだろう。黒岩氏も嘆いていると森永氏が語っていたけれど、たしかにこれは憂慮すべき状況ではないのか。
 森永氏自身も最近、上海のアニメフェスティバルに出かけた際に、ボランティアの中国人学生通訳の日本語専攻者二人に、なんで日本語を選択したのかと聞いてみたら、その学生たちは日本のアニメが大好きだったから日本語が勉強したかったという。
 森永氏は、日本のアニメが日中の架け橋になるのではないかと語っていたが、私も同感だ。これは私の推測に過ぎないけれど、その中国人学生の頭には日本が誇る宮崎駿氏や手塚治虫氏も浮かんだのではないだろうか。