「フライロッドと人生」を再読した

「フライロッドと人生」

 田渕義雄さんの「フライロッドと人生 (FlyRodders SELECTION)」はとても面白い本だ。
 最初の「フライロッド=パスポート宣言」から、気に入った箇所を引用してみると、以下のようにたくさんある。
 「川に向かってひとりで無心に腕を振りつづけるきみの姿は、まるで体と腕をシェイク(振る)させながら神に祈りを捧げているシェイカー教徒のようだ」。
 「フライロッダーとは、フライロッドをシェイクしながら川という聖地を旅する巡礼者のことなのではなかろうか?」
 「低俗な娯楽は人生を低俗なものにする」。
 「私たちの祖国日本は、素晴らしい土地だ。この国の川や渓流や山や森、そして海は世界に類を見ないほど美しく豊かで特別なものだ。それが今、そう思えないのはみんなで自然をいじめながら暮らしているからだ」。
 田渕義雄さんの文章が素晴らしいのは、田渕さんの生き方や彼の美学が、その土台になっているからだろう。
 何度も読み返したくなる本である。