「外国人が好きな観光地は?」

amamu2015-09-06

 先日、俺がアメリカ合州国でお世話になった家族の若者が一人で日本に観光旅行に来た。
 富士山に登山したり、京都・奈良・大阪を回ると言っていた。
 富士山に行けば、外国人観光客が多いことにも気づく。 
 以下、朝日新聞デジタル版(2015年9月5日03時30分)から。

 この夏、各地の観光地や行楽地で、例年以上に多くの外国人観光客の皆さんに出会ったような気がします。「インバウンド」と呼ばれる訪日観光客は昨年、1341万人と過去最高を記録し、今年はさらに上回る勢い。メディアでは中国人の「爆買い」ばかりが報じられますが、訪れた皆さんは、いったいどこを観光しているのでしょうか?


 ■「花」「動物」に高い人気

 訪日観光客には、新幹線で結ばれ、主要な見どころがそろった東京〜富士山〜京都を巡る「ゴールデンルート」と呼ばれる定番コースがある。さらに広島まで足を延ばすのも一般的だ。それを如実に反映しているのが、世界最大級の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」が2011年から発表している「外国人に人気の観光スポット」ランキングだ。上位には京都、奈良や東京などの著名観光地が並ぶ。

 1位は伏見稲荷大社金閣寺清水寺といった定番より、無数の赤鳥居が並ぶ絶景に満足度が高い。広島の健闘も光る。世界遺産厳島神社、原爆の惨禍を伝える展示内容が強い印象を残す広島平和記念資料館。日本人にはやや意外な印象もあるが、このトップ3は2年連続同じ顔ぶれだ。「特に欧米系旅行者は、訪問地の歴史について知りたいという欲求が強い」と同社PRマネージャーの東真菜さんは言う。

 今年度版で圏外からトップ10に急上昇した京都の「サムライ剣舞シアター」(8位)のように、体験型の観光にも注目が集まる。「ロボットレストラン」(東京)や日本の家庭料理を学ぶクッキングスクール(東京)、ガイドとサイクリングをしながら里山文化を知るツアー(岐阜・高山)なども関心が高い。「リピーターは日本でしかできない体験を望んでいるようです」(東さん)

 「ジャパンガイド」は英語による日本観光情報サイトの草分け的存在。外国人スタッフが全国の観光地に足を運んで集めた情報を紹介し、人気がある。運営するステファン・シャウエッカーさんによれば今、訪日旅行者に影響力があるのは、SNSでやりとりされる「写真」の情報なのだという。

 例えば、山梨県富士吉田市にある新倉山浅間公園は、タイの観光客を中心に撮影スポットとして近年人気を集めている。春には満開の桜に富士山、さらに朱塗りの五重塔を配した“日本らしい”記念写真が撮れるからだ。「手前に新幹線が走っていれば、外国人がイメージする日本の要素がすべて入っています」とステファンさんは笑う。日本人にはやや「わざとらしく」感じる構図だが、外国人にとっては、ここで撮影することが価値を生むようだ。

 こうした写真の口コミ効果が追い風になり、注目を集める観光キーワードが「花」と「動物」だという。地元以外では知名度がさほど高くない河内藤園(北九州市)は、サイト利用者の書き込みがきっかけで存在に気づいた。「実際に行きましたが、満開の花のトンネルは圧巻です」。四季折々に咲く花には、シンガポールやマレーシアなどアジア圏での関心が高く、今や桜や紅葉見物を目的に来日する人も多い。

 また、検索サイトで「rabbit island」と入力すると、瀬戸内海に浮かぶ大久野島(広島)に住むウサギの大群を紹介する英文サイトが多数見つかるように、「動物」の人気も高い。“スノーモンキー”として知られる長野県山ノ内町の温泉に入るニホンザルや、奈良公園のシカといった定番アニマルに続く注目株なのだそうだ。「飛騨の白川郷人気のように、日本の田舎暮らしへの関心も高まっています」とステファンさんは言う。


 ■日本らしい体験求める

 「グッドラックトリップ」は、観光ガイド「地球の歩き方」を出版するダイヤモンド・ビッグ社が発行する外国人向け無料観光ガイド誌だ。東アジアの旅行会社や国内の観光案内所などで約11万部を無料配布。毎日更新されるスマホ版のアプリも、すでに10万ダウンロードされている。

 同社メディア・マーケティング事業本部の弓削貴久副本部長によれば、「花」「動物」に加え、「食」「古き良き日本」への興味も定番だという。今や新たな日本食の代名詞ともいえるラーメンや、東京・谷中の町歩きなどが代表的だ。

 訪日旅行は11年の東日本大震災で大打撃を受けたが、中国人観光客を軸に急速に回復した。ただし、「旅行者の増加は世界的な傾向。日本観光の魅力が特別に高まったわけではない」と弓削さんは言う。訪日ビザの緩和、円安に加え、治安の良さといった要因が大きいが、5年後の東京五輪までは増加傾向は続くとみる。日本好きな台湾からのリピーターは、成田空港でレンタカーを1週間借り、東北から九州までドライブする。そんな旅の形も生まれているという。「今は爆買いばかりが注目される中国人も、日本人と同様に海外旅行慣れしてくると、お金の使い方が変わってくるはずです」と弓削さん。今後ますます、各観光地が新たな魅力を発信できるかが問われそうだ。

 個人旅行者にはJTBも力を入れる。07年に開設した「ジャパニカン」はネットから各種ツアー、宿泊、チケットなどを購入できるサイトで、前年の2倍以上になる伸びを見せている。

 同社には、訪日旅行者向けに50年以上の歴史を持つ英語ガイド付きの「サンライズツアー」というブランドがあったが、2年前、アジアからのリピーター客を狙い、新ブランド「エクスペリエンスジャパン」を立ち上げた。果物狩りやショッピング、温泉などの体験型、地方発着、季節限定など様々なニーズに応えた2千もの商品がそろう。ネット販売では、「東京ワンピースタワー」などのテーマパークやイベント、列車・バスチケットなどとあわせ、急成長しているという。

 JTBグローバルマーケティング&トラベルFIT事業部商品戦略推進部の佐藤善行部長は「点から線へ、面へとつながる商品を多数用意し、新たなゴールデンルートとなる広域周遊型の観光ルートとして定着させていきたい」と語っている。(山内浩司)


 <参考情報> インバウンド関連の各種データは観光庁のホームページ(http://www.mlit.go.jp/kankocho/別ウインドウで開きます)に詳しい。

 図の中で、Lonely Planetの紹介も掲載されていた。Lonely Planetシリーズは、俺の愛読書でもある。