「マンザナ、わが町」を観てきた

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マンザナ、わが町

 「マンザナ、わが町」を初めて観る機会を得た。
 観劇の感想を一言でいえば、すごいなあ井上ひさしさんと心から感じ入った。
 第二次世界大戦中の日系アメリカ人の強制収容所の話なのだが、これでもか、これでもかという内容の盛り込み方と、それに反するかのように、劇全体でわかりやすくメッセージを謳うことができている点が、すごい。そしてとても面白い。「ふかいことをおもしろく」「むずかしいことをやさしく」をまさに実践・体現されている。
 5人の女性しか登場してこないという設定と、そのキャラクターづくりが見事という他ない。作者が表現したいテーマのためのキャラクター設定という他ない。
 この劇の初演が1993年というのもすごい。
 ソフィア岡崎役の土居裕子さん。オトメ天津役の熊谷真実さん。サチコ斎藤役の伊勢佳世さん。リリアン竹内役の笹本玲奈さん。ジョイス立花役の吉沢梨絵さん。それぞれ頑張っておられましたが、完成度としては作家がねらった域にはまだ少し届かないパフォーマンスだったと思います。舞台はあけたばかりだから、これから確実に、どんどん良くなっていくはず。その点は確実に期待できます。
 その意味でも、もう一度観たいと思う素晴らしい作品でした。