「翁長知事、相次ぐ事件・事故に憤り 沖縄全戦没者追悼式典」

 以下、沖縄タイムスデジタル版(2017年6月23日 13:57)より。

 戦後72年の「慰霊の日」の23日、沖縄県糸満市摩文仁平和祈念公園で沖縄全戦没者追悼式典(主催・県、県議会)が執り行われた。県内外の遺族ら約4900人が参列。正午に黙とうし、沖縄戦で亡くなった20万人超の犠牲者の冥福を祈り、恒久平和への誓いを新たにした。

 平和宣言で、翁長雄志知事は昨年4月に発生した元海兵隊員で米軍属による暴行事件や、同12月に起きた普天間飛行場所属のオスプレイの名護市安部への墜落事故などに触れ、「基地負担の軽減とは逆行していると言わざるを得ない」と強調。戦後72年がたっても基地から派生する事件・事故などに苦しみ、悩まされ続ける県民の思いを全国に訴えた。

 普天間の返還問題については「辺野古に新たな基地を造らせないためにも、今後も県民と一体となって不退転の決意で取り組む」と断言。また、12日に亡くなった大田昌秀元知事が同公園内に「平和の礎」を建立した功績にも言及し、「『平和の礎』に込められた平和の尊さを大切にする思いを、次世代に継承していきたい」と誓った。

 来賓あいさつした安倍晋三首相は、沖縄に米軍基地が集中する現状を「到底是認できるものではない」と指摘。基地負担軽減に関し「できることは全て行う」と述べた。

 大島理森衆院議長と伊達忠一参院議長も登壇。鶴保庸介沖縄担当相、塩崎恭久厚生労働相岸田文雄外相、稲田朋美防衛相も参列した。