「秋田)反骨の政治家・瀬長亀次郎氏描く映画 26日上映」

f:id:amamu:20051228113107j:plain


 以下、朝日新聞デジタル版(2018年1月19日03時00分)から。

 戦後の沖縄で反基地闘争や本土復帰運動を先導した反骨の政治家、瀬長(せなが)亀次郎・元那覇市長(1907〜2001)のドキュメンタリー映画の上映会が26日、秋田市内で開かれる。同市が陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備候補地となる中、「米国の言いなりにみえる政府に異議を申し立てたい」(主催者)と企画された。

 瀬長氏は沖縄県豊見城(とみぐすく)村(現豊見城市)生まれ。1949年に沖縄人民党書記長となるが、米軍の弾圧で54年から1年半投獄された。出獄後の56年に那覇市長に当選したが、翌年に職を追放された。70年の「沖縄国政参加選挙」で衆院議員に初当選し、以後連続7期務めた。2013年に那覇市に完成した「不屈館」には遺品や資料が展示され、現地では今も「カメさん」「カメジロー」と親しみを込めて呼ばれる。

 映画は「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」。監督の佐古忠彦さんは、TBSテレビの報道番組でキャスターを務めた。16年に同社が放送したドキュメンタリー番組を元に、追加取材と再編集をして映画を完成させた。

 作品では、米軍統治下の沖縄で弾圧を恐れず、民衆に支えられて闘い続けた瀬長氏の実像や抵抗の人生を、稲嶺恵一元知事や瀬長氏の次女らの証言などから振り返る。テーマ音楽は、趣旨に共感した音楽家坂本龍一さんがオリジナル楽曲をつくった。

 上映会を企画した県映画センターの吉田幸雄さん(65)は「イージス・アショアの配備をめぐる一連の動きは、本土の沖縄化と言っても過言ではない。沖縄の闘いの歴史や、『オール沖縄』が生まれた原点を学ぶために必見の作品です」と話している。

 会場は秋田市文化会館(同市山王7丁目)小ホールで、26日午後2時、4時半、7時の3回。料金は一般1300円(前売り1千円)、高校・大学生800円(当日のみ)。問い合わせは県映画センター(018・862・9978)へ。(茂木克信)