「自衛官暴言、処分を検討 民進議員に「お前は国民の敵だ」」

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以下、朝日新聞デジタル版(2018年4月18日05時00分)から。

 防衛省は17日、統合幕僚監部に勤務する30代の3等空佐が16日夜、東京・永田町の路上で民進党小西洋之参院議員に対し暴言を繰り返した、と明らかにした。小西氏によると、3佐は「お前は国民の敵だ」などと述べたという。防衛省は、自衛隊員の品位の保持や政治的行為の制限などを定めた自衛隊法に違反する疑いがあるとみて調査し、懲戒処分を検討する。

 自衛官トップの河野克俊統合幕僚長は17日午後、小西氏の永田町の事務所を訪れて謝罪。その後、報道陣に「自衛官が国民の代表である国会議員に対して暴言とも受け取れるような発言をしたことは大問題。極めて遺憾であり、大変不適切だ」と述べた。

 防衛省によると、3佐は統幕指揮通信システム部所属の男性自衛官。16日午後9時ごろ、永田町の参院議員会館前をジョギングしていて小西氏と遭遇し、「小西か」と尋ねた。小西氏が「小西です」と応じたところ、3佐は暴言を吐き始めたという。

 具体的な発言内容について防衛省は「調査中」としているが、小西氏によると、3佐は自衛隊員であることを告げたうえで「お前は国民の敵だ」「(国会での)言動が気持ち悪い」とののしったという。近くで警戒中の警察官が2人のやりとりに気づいて駆けつけたが、3佐は発言を繰り返していたとされる。

 自衛隊法58条は、自衛隊員が信用を失墜する行為をすることを禁じ、61条は選挙権の行使を除き自衛隊員の政治的行為を制限している。同法施行令は具体例として、政治動向に影響を与えることを狙って特定の政策を主張したり反対したりする際、官職や職権を使うことなどを挙げている。

 小西氏は外交防衛委員会に所属。集団的自衛権の行使容認に強く反対し、南スーダンイラクの日報問題もたびたび取り上げている。小西氏は河野氏から謝罪を受けた後、報道陣に「シビリアンコントロール文民統制)を徹底する再教育をしてほしいと申し上げた」と話した。

 小野寺五典防衛相は17日夕、報道陣に「小西議員に不快な思いをさせたことに関しては、統幕長を含め申し訳ないという気持ちだ」と述べた。(編集委員・土居貴輝、古城博隆)