「柳瀬氏、加計側との面会認める 「首相案件」発言は否定」

amamu2018-05-10

 以下、朝日新聞デジタル版(2018年5月10日13時36分)から。

 加計(かけ)学園の獣医学部新設計画をめぐり、柳瀬唯夫・元首相秘書官(現経済産業審議官)は10日、衆参両院の予算委員会参考人として出席し、2015年4月に「加計学園関係者と面会した」と認めた。加計学園関係者とは官邸で計3回面会したことも明かした。
 愛媛県の文書によると、柳瀬氏は獣医学部設置に関して15年4月2日、愛媛県今治市の職員、加計学園事務局長と官邸で面会し、「本件は、首相案件」と述べたとされる。
 これに対し、柳瀬氏は今年4月10日、「記憶の限りでは、愛媛県今治市の方にお会いしたことはありません」などとするコメントを発表。17年8月には加計学園事務局長の同席についても朝日新聞の取材に「記憶にない」と答えていた。
 10日の衆院予算委では、加計学園関係者との面会を認めたうえで、愛媛県今治市職員の同席については「今でもわからない」とし、報道などを踏まえれば「いたのかもしれない」と語った。面会は加計学園側からの申し入れだったという。
 「首相案件」については、「獣医学部新設の解禁は、総理は早急に検討していくと述べている案件であるという趣旨は紹介したように思う」と述べた。ただ、「今治市の個別プロジェクトが首相案件になると申し上げるとは思いません」と説明。「そもそも普段から首相という言葉は使わない」とした。
 また柳瀬氏は、加計学園関係者と15年2〜3月ごろと、15年4月の面会以降にもさらに1回官邸で面会したことを明らかにした。安倍晋三首相が学園理事長の加計孝太郎氏と友人だったことは「認識していた」とし、首相の別荘でバーベキューをした際にも、「加計学園の理事長と事務局の方がいたという記憶がある」と述べた。面会の内容を首相に報告したかについては「総理に対し報告したことも、指示を受けたことも一切ない」などと否定した。
 首相秘書官の経験がある衆院野党会派「無所属の会」の江田憲司氏は質問で「総理に累が及ばない答弁だが、秘書官の仕事の常識に反する」と批判。野党は引き続き、「加計学園ありき」として追及する方針だ。
 衆院予算委は政府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)の八田達夫座長も参考人として招致。八田氏は「総理からも、また秘書官からも何の働きかけも受けたことはない」と述べ、手続きに問題がないと強調した。
 首相は10日午前、首相官邸で記者団に「国家戦略特区の民間議員の皆さんは全員、『プロセスには一点の曇りもない』と述べている」と強調。予算委と同じ時間帯に日米首脳電話協議があったとして、「私は(予算委を)見てはいないが、柳瀬元秘書官は誠実に答えると思うし、全てを明らかにしてもらいたい」と述べた。
  午後の参院予算委では、柳瀬氏と、獣医学部の誘致を推進していた愛媛県の加戸守行前知事が参考人招致された。

(後略)