以下、朝日新聞デジタル版(2018年5月21日16時59分)から。
学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる問題で、愛媛県が21日、2015年4月2日に首相官邸で行われた柳瀬唯夫・元首相秘書官と同県職員らの面会に関連する新たな記録文書を参院予算委員会に提出したことがわかった。すでに判明している文書とは別に、県が庁内を再調査した結果、見つかったものが含まれているという。
愛媛県などによると、県職員は同県今治市職員や加計学園幹部とともに15年4月2日、首相官邸を訪問し、柳瀬氏と面会。その内容を記録した愛媛県の文書が存在していることが今年4月に明らかになった。この文書には、柳瀬氏が「本件は、首相案件」などと述べ、国家戦略特区での獣医学部新設の申請を助言する内容も語った、などと記されている。
柳瀬氏は10日の衆参の予算委員会で、15年4月ごろ「加計学園関係者と面会した」と認めた。愛媛県や今治市職員の同席については「今でもわからない」とし、「(報道などを踏まえれば)いたのかもしれない」と語った。面会は加計学園側からの申し入れだった、とした。この面会の前後にも計2回、加計学園関係者と面会していたことも明らかにした。
「本件は、首相案件」という発言については「獣医学部新設の解禁は、総理は早急に検討していくと述べている案件であるという趣旨は紹介したように思う」と述べる一方、「今治市の個別プロジェクトが首相案件になると申し上げるとは思いません」と説明した。
県の記録と今月10日に参院予算委などに参考人として出席した柳瀬氏の説明に食い違いがあることから、野党側が、面会に関する記録文書を愛媛県に提出してもらうよう要求。これを受け、参院予算委員会が、愛媛県と同県今治市に面会に関する記録の提出を要請していた。