「核兵器禁止条約への賛同求める 長崎市の平和宣言素案」

amamu2018-06-09

 以下、朝日新聞デジタル版(2018年6月9日17時33分)から。

 8月9日の長崎原爆の日の平和祈念式典で長崎市長が読み上げる「平和宣言」の第2回起草委員会が9日開かれ、市が宣言の素案を示した。核をめぐる国際情勢に言及し、日本を含む世界の国々に対して、昨年7月に採択された核兵器禁止条約に賛同するよう求める内容。また、昨年亡くなった被爆者の土山秀夫さんや谷口稜曄(すみてる)さんの言葉を引用し、平和への思いを次世代に引き継ぐ決意なども盛り込んでいる。

 素案は、先月行われた第1回委員会で被爆者や大学教授、大学生ら15人の委員から出た意見を踏まえた。田上富久市長は「核なき世界に向けて前に進めようとする動きとそれを止めようとする動きがある中で、原点を確認する宣言にしたい」と説明した。

 素案では、昨年の核兵器禁止条約採択や核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞に言及。政府に対して核禁条約の署名や批准を求めることや平和を生む基盤を作ることなどを、世界の市民にも呼び掛けている。

 素案は北朝鮮の核開発をめぐる情勢にも触れており、委員からは「8月までに情勢が変わる可能性があるため、米朝首脳会談などを踏まえ、長崎らしいメッセージにしてほしい」などの意見が出た。(田部愛、伊藤繭莉)