以下、朝日新聞デジタル版(2018年6月19日05時00分)から。
参院決算委員会が18日開かれ、安倍晋三首相が財務省による公文書改ざんの調査結果公表後、初めて国会答弁に立った。首相は改ざんを陳謝したが、質問通告がないことを理由に答弁を避ける場面も。一方で米朝首脳会談を評価し、日朝首脳会談による拉致問題解決に強い意欲を示すなど外交に活路を見いだす姿勢が目立った。
野党は18日朝に起きた大阪北部地震への政府対応を考慮し、自民党に審議の延期を申し入れたが、自民側が予定通りの開催を決め、委員会が始まった。財務省が今月4日に、森友学園との国有地取引に関する決裁文書を改ざんした問題で調査報告書を公表してから2週間。国会で首相にただす機会は初めてだ。
国民民主党の石上俊雄氏の質問に対し、改ざんの責任について「行政府の長として痛感している」と述べたものの、麻生太郎財務相については「再発防止の先頭に立つことで責任を果たしてもらいたい」として続投させる考えを示した。
こうした中、共産党の辰巳孝太郎氏は質疑で新たな文書を独自に入手したことを明らかにした。
財務省は5月23日に森友学園との国有地取引に関する交渉記録を公表した。辰巳氏が入手した文書には、政府内でどのような文書を公表するか事前に検討した状況が記されている。作成した日時や作成者について明確な記載はない。
文書には、財務省理財局と近畿財務局とのやりとりについて「最高裁まで争う覚悟で非公表とするのだろう」と記載。近畿財務局と国土交通省大阪航空局のやりとりを公表するかについては「中身にもよるだろう。国交省として、出すのが得策かどうか検討してほしい」と記していた。
辰巳氏は「不都合なものは出さないということか」と追及。しかし、首相や麻生氏は、辰巳氏から事前に質問通告を受けていないことを理由に「今の段階では全く架空の状態であり、お答えしようがない」(首相)などと答弁を避けた。
(後略)
(斉藤太郎 中崎太郎)