井上ひさし作、栗山民也演出「夢の裂け目」を観てきた。
「夢の裂け目」は今回はじめて観たが、井上ひさし氏の東京裁判観が出ていて面白かった。
むずかしい戯曲だったが、役者陣が頑張っていた。
特筆すべきは田中道子役の唯月ふうかさんだろう。歌声も素晴らしかった。
演奏の熊谷太輔、山口宗真、佐藤桃、朴勝哲もすばらしい音楽だった。
主役の田中留吉役の段田安則、今野妙子役の高田聖子、成田耕吉役の上山竜治、関谷三郎役の玉置玲央、川本孝役の佐藤誓もよかった。
最後に「夢の裂け目」について語る場面は、井上ひさしの演劇論のように思われた。またそのときの俳優陣の動きは、作者に対する敬意の念が表現されているように感じられた。
井上ひさしは、やはり、誇るべきすばらしい作家だと今回も納得させられた。
