以下、朝日新聞デジタル版(2018年9月21日12時51分)から。
自民党総裁選で安倍晋三首相に敗れた石破茂元幹事長は21日、首相が前日の勝利後の記者会見で、憲法9条改正について、自衛隊を明記する自身の改憲案が信任を得たとの認識を示したことに対し、「憲法の考えが違うことが明らかになった上で、党員票の45%が私に入っていることをどう考えるかだ」と、首相側を牽制(けんせい)した。
石破氏は、首相が自らの考えをきちんと説明するよう改めて求め、「ちゃんとしたステップを踏まないまま、勝ったからスケジュール通りやるでは、党員のみならず、国民にしてみればもっと乖離(かいり)が起きるのではないか」と指摘した。
石破氏はこの日、総裁選の支援などへのお礼参りをした。名刺を配りながら国会内の衆参の議員事務所を訪問。石破氏の推薦人となった渡海紀三朗・元文部科学相の事務所では、「大勢の人にお世話になったので、改善点を忘れないうちにちゃんと整理する」。記者団には「選挙が終わった瞬間から次の選挙ということを実践する」と述べ、「ポスト安倍」に意欲を示した。
総裁選は、1人1票の投票権を持つ国会議員票405票と、同数の地方票の計810票で争われ、安倍首相は553票を獲得。石破氏は254票にとどまったが、事前の予想を大きく上回り、党内では善戦と見られている。(岩尾真宏)