以下、朝日新聞デジタル版(2021/2/6 10:42)から。
東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)の女性蔑視発言を受け、辞任などを求める署名活動が4日から、インターネット上で始まった。「次の世代のため」「スポーツの精神と反する」。立ち上げた人の思いは、様々だ。
「森会長の処遇の検討および再発防止を求めます」。4日夜、こう呼びかける署名活動を始めたのは、世界の避妊法について情報発信している「#なんでないのプロジェクト」代表の福田和子さん(25)ら有志の女性11人だ。
スウェーデンに留学中の福田さんは森会長の発言を知り、「モヤモヤして居ても立ってもいられず」、3日夜(日本時間)から音声型SNS「Clubhouse(クラブハウス)」でトークルームを一人で開き、語り始めた。100人ほどが参加し、意見交換は3時間に。終わった後、署名サイト「change.org」を通じた署名活動を思いついた。仲間に声をかけて呼びかけ文を練り上げていった。
今回の発言について「『ジェンダー平等推進』という日本を含めた世界中の国々が抱えた責務に反する、女性に対した偏見、蔑視、差別であり、組織委の会長発言として容認できません」と冒頭でうたう。
また、「真に『差別』だと指摘されている原因を理解している・理解しようとしているようには見えず、このような偏見を持つ方が会長職を継続するのは不適切」として、政府、東京都、日本オリンピック委員会(JOC)の3者に「処遇の検討」を求めた。
さらに、JOCと組織委には「具体的な再発防止策」も要求した。スポーツ庁が定めた運営指針「ガバナンスコード」に沿って、「東京五輪・パラに関わるすべての組織」で理事の4割以上を女性にするよう求めている。
福田さんは「森氏が辞任したとしても、それで解決ではない。本当に会長にふさわしかったのかを考えてほしくて、あえて辞任ではなく、処遇の検討を求めた」と話した。
(後略)
(伊木緑、長富由希子)