「橋本聖子氏に絞り込まれた事情 他候補者たちのネックは」

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以下、朝日新聞デジタル版(2021/2/17 17:32)から。

 女性蔑視発言を理由に東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会森喜朗会長(83)が辞意を表明したことで始まった後任選びは、候補者検討委員会が五輪相の橋本聖子氏(56)を候補として一本化する方向で最終調整していることが分かった。組織委は検討委について、16日の第1回、17日の第2回に続き、18日も第3回の会議を開くと発表した。

 早期に絞り込みを進める背景には、この難局を乗り切れる有力候補が少ないこともある。

 組織委会長は、スポーツ界の「顔」として一定の知名度が必要だが、政府や国際オリンピック委員会IOC)などとの交渉、調整など、実務能力も欠かせないからだ。

 森会長の女性蔑視発言を受けての後任選びだけに、当初から「女性」であることも重要視された。

 政府内には、五輪に7度出場した橋本聖子五輪相(56)を強く推す声があったが、橋本氏は2014年、フィギュアスケートの男子選手に無理にキスをしたと週刊誌に報道されたことがあった。自民党内にこの問題を心配する声があったほか、IOCが問題視し、難色を示しているとの見方も関係者の間にはあった。

 ただ、日本オリンピック委員会JOC)の山下泰裕氏(63)は「森発言」を止められなかったことへの批判のほか、自身が検討委のメンバーになっていることが障害となる可能性があった。

 橋本、山下両氏以外にも、組織委のスポーツディレクターなどを務めるソウル五輪銅メダリストの小谷実可子氏(54)の名前が一部で挙がっていた。小谷氏は英語が堪能だが、業務遂行能力が未知数だった。また、アテネ五輪金メダリストのスポーツ庁室伏広治長官(46)を推す声も一部にあったが、就任4カ月余であることもネックとなった。(塩谷耕吾)