「関口宏のもう一度!近現代史」(BS-TBS)。明治・大正を終え、いま昭和史をやっている。
先日「昭和16年(1941)大東亜戦争・戦艦大和完成」を見ていたら、「爆弾位は手で受けよ」という唄が紹介されていた。戦意高揚のためのいわゆる「軍歌」だが、これまで聞いたことはなかった。
言うまでもなく、戦前、軍はレコード会社に戦意高揚の歌を発売するように圧力をかけていた。1941年(昭和16年)6月発売された「爆弾位は手で受けよ」は、藤田まさと作詞・江口夜詩作曲で、上原敏、田端義夫ほかが歌っている。
楽しく明るい盆踊りのようなメロディで歌われる「爆弾位は手で受けよ」は、全く笑えないお笑いだ。
「爆弾位は手で受けよ」は、YouTubeで聞くことができる。聞いたことのない人には必聴である。
爆弾くらいは手で受けよ (上・下)上原敏・田端義夫 他 - Bing video
一つとや 日ごとに高まる浪の音
太平洋に危機迫る 用意はできたか 合点か
いざという時や 体当たり ソレ!
爆弾ぐらいは手で受けよ
(中略)
よっつとや 翼賛一家 一億の
意地というのは ただ一つ
笑って死ぬこと進むこと
いざという時や 体当たり ソレ!
爆弾ぐらいは手で受けよ
少しネットで調べていたら、「爆弾位は手で受けよ」を「コロナぐらいは手で受けよ」と、いまのコロナ禍になぞらえている替え歌があった。これも笑えない現実である。
コロナぐらいは手で受けよ | taro-hana-fumiのブログ (ameblo.jp)
オリンピック推進者たちは、まさにいまはオリンピックに向けた「いざという時や 体当たり ソレ!」の当たって砕けろの「特攻精神」を発揮するときだと考えているのだろう。死者が出たって恐れやしない。一か八かの賭けに勝つのは精神論だと。
しかし、それでは、あらたな日本発のパンデミックがそこまで来ていると言わなければならない。