宝石用のガラスの容器のようなものがいくつかあり、あとは4つの壁が全て棚になって、所狭しと家庭電気製品が置いてある。店員は見たところ3名で、客が2名ほどいる。
一番若い男が近寄って来た。
白黒テレビに興味があると私が言うと、映り具合を見てみるかという。棚のところに、いくつかテレビがあったが、その男は、店の隅から箱を出してきて、梱包を解き始めた。電源ACコードを入れ、アンテナを伸ばして、チャンネルを回しながら、映りの状態を見せてくれる。いくらだと尋ねると、100数十ドルするという。白黒テレビの相場をまず聞いてみようくらいのつもりでいた私は、映りはよくないし、内心高いと思ったので、また来るとその若い男に言った。