教え子から暑中見舞いの葉書をいただいたので、返信を書く。
蒸し暑い日が続きますが、いかがお過ごしですか。
先日、ご丁寧なおハガキをいただきまして、恐縮しております。昨年は自分の力量以上の大役を、はじめて引き受けた年で、公私ともに多忙をきわめ、何度か手紙のやりとりで失礼したのではないかと思います。教師という仕事はサボろうと思えば、いくらでもサボれるのですが、ひとたび少しでもまともな仕事をやろうと思うと、あとからあとから際限なく仕事があるものなのです。それは実際、想像以上で、私もはたから見ているときにはこれほど大変であるとはわかりませんでした。また罪つくりなことに、一生懸命やっているからといって満足できる仕事ができるというわけではありません。モノをつくる仕事であれば熟練すれば、それなりに前進があるものなのでしょうが、1年目は1年目の、10年目は10年目の悩みがあるものなのです。この点では親の仕事と同じで、親の苦労はやはり子どもには理解しがたく、結局は親になってみなければわからないのでしょう。
ともかく、今年も、昨年に引き続き公私ともに多忙をきわめております。校務では2年生の担任をしておりますが、もう少しまともな教師になるべっく、まだまだ鍛えられなくてはならないなぁと痛感しております。
今年の夏は暑い日が続きそうです。お身体、ご自愛ください。
1988年7月12日
「自信をもたせる教育」が大切ではないか。少し前いは、「生きる力」といわれたものだが、いま重要なのは「自信」だろう。英語教育でも生徒に「自信」をもたせることが大切だ。