飛行場近くのホテルへタクシーで移動する

 さて家族で楽しんできたクライストチャーチだが、連れ合いは明日早くオークランド経由で成田に帰らないといけない。娘と私も朝早く飛行機で南のオタゴに行くことになっている。なにしろ朝が早い便なので、クライストチャーチ空港付近のホテルに今晩は泊まることに決めてある。
 アートセンターの女性アーティストも言っていたが、クライストチャーチは歴史的建造物をすぐ壊してしまうが、ダニーデンクライストチャーチより歴史的なものを大事にしているという。クライストチャーチに対して私は悪い印象を一切もたなかったので、オタゴの方が歴史的建造物を大事にしているなら、これは期待が高まる。ダニーデンはいわば学園都市で、5人から6人に一人が学生で、すでに紹介したように、クライストチャーチイングランド人のつくった街なら、ダニーデンスコットランド人のつくった街であると言われている。ダニーデンは、こうして教育や文化に関心が高く、またパブ文化も盛んらしいので、これまた楽しみである。
 ストーンハーストに戻って、共有預かり所から自分で荷物を出し、電話でタクシーを呼ぶ。今日泊まる予定のホテルの名は、Sudima Hotel。行き先を運転手に伝えるとき、「なんて発音するの、スディーマですか」と聞くと、「正解」という返事がかえってきた。ホテルに到着するまでこの運転手と話をすると、彼の奥さんはシンガポール出身で、シーフード料理が上手だという。「シーフードチャウダーなんか、うちの奥さん、つくるの上手だよ」なんて、嬉しいことを言ってくれる。クラムチャウダーやシーフードチャウダーは私の大好物なのだ。ちょっと前には、クレイフィッシュ(伊勢海老)などを採取する仕事もしていたと彼は言う。ニュージーランドのダイビングはトロピカルではないそうだが、聞いた話だと、魚がひとまわり大きいという。このクレイフィッシュなども、スキューバダイビング用のタンクほどの大きさのものがあると聞いたことがある。ダイバーによる捕獲は通常禁止されていることが多いが、ここニュージーランドでは許されているのである。ただし、6センチ以上の型のもので、なおかつ食用にしないといけない。この条件を守りさえすればクレイフィッシュの捕獲は一日最高6匹まで許されるらしい。
 「捕獲して、どうするの」と聞くと、「日本に輸出していた」という返事。自分も機会があれば、ニュージーランドでクレイフィッシュを捕獲してみたいものだ。ホエールウォッチングで有名な南島のカイコウラの話はすでにしたが、マオリがカイコウラという地名をつけたように、昔のニュージーランドはどこでもカイコウラ状態であったのであろう。伊勢海老を自分で捕獲して食べる。それがニュージーランドでのひとつの生活のあり方だとすれば、私もいつの日かやってみたいと思った。