ニュージーランドでは、まずは買い物の荷物運びのために車が必要だ

 ただ、そろそろ車を手に入れようかと思ったのは、買い物のためである。
 アレックスとジュディがいるうちは、出されたものを食べるだけでよかった。買い物は全く必要なし。けれど今は自炊だから、自分で買い物をしないといけない。近くのスーパーまで歩いて20分くらいだから、バックパックで買い物をして帰ってくるのもけっして嫌ではない。自分ひとり分の生活雑貨だから、これくらいの買い物はどうにでもなる。ただ、ニュージーランドの買い物は、どさっとまとめて買うのが普通だ。日本での買い物と規模が違うから、ちょこちょこ買っていると、おそらく損でもあるだろう。値引き品など、どさっと買う必要があるから、バックパックでは到底運べない。
 ワイカト大学(The University of Waikato)近くに安売り雑貨のチェーン店であるウェアハウスがあるのだが、このウェアハウスの近くに酒屋がある。
 実はいろいろなビールの試飲をしてみようと、あれこれのビールを試しているのだが、一日1本くらいしか飲まない私は、通常6缶のパックを買っている。何故かというと、車がないからだ。大き目のバックパックで買い物をしても、他にも買い物があるから、せいぜい6缶のパックくらいしか運べない。
 実は前にこの酒屋さんは来たことがあって、その時は見るだけで買い物をしないで帰ったのだが、そのときはビールが山のように積んであった。それが昼間にたまたま行ったら、ビールが全く置いてない。それで「ツイ(Tui)というビールはある」と店員に聞いてみたら、「ツイなら、一番奥にある」と、温度が低く設定されている広い部屋に案内されて、そう言われた。
 昼間は、この部屋で多少冷やして、夕方には店の真ん中に出すのだろう。見てみると、ビンビールしか置いてない。今回の私のお目当てのツイもビンビールだ。こちらのビンビールは、缶と同じく330mlが多い。それで15本入っている1パックだから、持ち運ぶにはちょいと勇気がいる。だけれども、ツイはあると聞いて、それを買って行かないのもかなり変だ。たまたま大き目のバックパックだったし、他の荷物もなかったので、ビール1ケース15本をバックパックで運んで30分ほど歩いて帰ったら、授業帰りだったこともあって結構疲れた。
 この広いハミルトンで、こんなことをしている奴はおそらく私くらいしかいないだろう。
 ということで、この重たいビールを運んだ際に、そろそろ車の買い時だなと私は判断していたのだ。