常に、明日があるさ

 さて、釣り客は皆帰ってしまった。
 夕方釣りに行ったが、魚影は感じながら釣れなかった。
 もう一回のキャスト、もう一回のキャストとねばったが、卵が好みのでかいトラウトに6パウンドのラインで数回もぎ取られてしまった。
 次回があるということで、私は釣り宿に帰った。
 自分で仕掛けをつくり直し、缶ビール1本と、ロトルアで買ったメキシコのブリトで夕飯にした。今日一日付き合ってくれたニコラスのおかげで、自分だけの力でなんとかフライフィッシングを楽しめるまでになった自分自身の成長を感じて、少し幸せな気分になった。
 釣果については残念だが、常に明日がある(There's always tomorrow.)。
 誰もいない釣り宿で私は快適に床に着いた。