先生を信頼し、応援しよう

 いま日本の学校、とりわけ首都圏の私立大学がどうなっているのかと、日本の私立大学はおかしくないかという興味から、日頃ほとんど買うことのない週刊誌を買って斜め読みをしている。週刊朝日臨時増刊(2006.7.10)もその中の一冊だ。
 タイトルが「一流校に入る」ということで、サブタイトルが「「伸びる子」を育てる家庭力」「私立にかかる本当のお金」「ブランド校に入るルートと費用」ということだから、内容は想像できると思うが、中でも「百ます計算」で有名な陰山英男さんが書いていることが学力論、学校論として面白く、また説得力があった。そこからいくつか引用してみる。
 「最近では、首都圏を中心にして、私学に行かなきゃいけない、公立なんかダメだというのが、あたかも空気のように蔓延しています。私学に行けばよくなると、親に思わせているのが問題なんです」。
 「今の公立校を取り巻く空気の原因になっているのは、不信と不安です。親は学校の先生を信用できない。学校の先生は親を信用できない」。
 「古い言い回しですが、「三尺下がって師の影を踏まず」という意識が復活すれば、教育改革は成功するでしょう。これにはふたつの条件が必要です。まず、世の中が学校の先生を信用しなければいけない。そして先生方はそれに応えなければいけない」。
 「学校を批判するのは簡単です。教育に完璧なものはありませんから、あら探しをすれば、いくらでも難点は出てくる。これでは教師もやる気を失ってしまいます。できる限り応援しようという熱意が親、社会、マスコミにあれば、教師はがんばるしかない。「公立はだめだ」という風潮は、自分で自分の首を絞めているようなものです」。
 「私立、公立に関係なく、子どもの健康を守り、学力を伸ばすための基礎は、早寝早起きの習慣を身につけさせ、朝食をきちんと取るなど、日常生活を正すことです」。
 「子どもを幸せにする一番いい方法は、まず自分が幸せになることです」。
 私は陰山さんを詳しくは存じ上げていないが、公立の学校で素晴らしい教育実践をやってこられた方だから、公立学校についてのコメントは非常に説得力がある。