いま関係代名詞を高校1年生に教えているのだが、関係代名詞はどのように教えたらよいだろうか。
いきなり変な例えで恐縮だが、日本語の修飾関係は、強風でおしゃかになってしまった傘の骨組のような構造になっている。
どういうことかというと、次のような構造である。二つだけ例をあげてみよう。
水の下を
船
進むことのできる
あなたに
いま何時か 機械
教えてくれる
つまり、修飾する語句と、修飾される語句との関係が、逆傘の骨組み構造になっている。
英語の語順は、
A ship that can travel under water
A machine that shows you what the time is
というように、名詞(体言)がまず来て、それから、修飾語句が後置される。関係代名詞だとか、現在(能動)分詞や過去(受動・完了)分詞が用いられて、修飾語句が後に置かれるのは、英文法では常識だ。
それで、ここが日本人にとって、逆順になるので大変なのだ。
red appleやsleeping babyなど、修飾語が一語の場合*1は、日本語と同じように前に置くことができるが、sleeping in the cradle(ゆりかご)となったら、sleeping in the cradle babyとは、普通、言わない。the baby sleeping in the cradleと言うのが普通なのだ。つまり逆順である。
ということで、後置修飾という特徴をもった構造をもつ英語をマスターするには、どうしても、この日本人にとっての逆順に慣れなければならない。
ところで、たとえば、freezer, bagel, shoe, backpack, action, hairbrushというような名詞の定義を辞書で引くとなると、関係代名詞を使わざるをえない。
たとえば、次のような具合だ。
これらは、Longman Basic Dictionary of American English Paperback (Longman Dictonaries)を参考にして作成した。
A machine that keeps food very cold (Freezer)
A type of bread that is shaped like a ring (Bagel)
Something that you wear to cover your foot (Shoe)
A bag that you carry on your back (Backpack)
Something that you do (Action)
A brush you use to keep your hair neat (Hairbrush)
これは定義文だから、一種のなぞなぞだ。あるいはカルタといってもよい。
それで、以上を裏面に印刷し、表面には、答えのない定義文だけのものを印刷して生徒に配った。
これは何故かというと、あくまでも関係代名詞が主人公だからである。なぞなぞやカルタは脇役である。けれども、これで遊ぶことができたら、知らず知らずのうちに、関係代名詞がマスターできるという仕掛けである。
*1:Unidentified Flying Objectなどの修飾語が2語の場合の例外はあるが。