「沖縄米軍、落下物はヘリの窓と認める「不安与えおわび」」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2017年12月13日22時39分)から。

 13日午前10時10分ごろ、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場に隣接する市立普天間第二小学校の校庭に、米軍ヘリコプターCH53Eの窓が落下した。県警などによると、重さ約7・7キロで、体育の授業中の児童まで約13メートルしか離れていなかった。県は、県内の米軍機全機の飛行を中止するよう日本政府に求めた。
 小学校の校庭は、フェンスを隔てて飛行場と接している。県警などの説明では、落ちてきたのは金属製の窓枠(一辺の長さ93〜65センチの台形)で、風防部分は砕けて周囲に散らばっていた。校庭では当時、小学2年生と4年生の計60人余りが体育の授業中だった。「バン」という音がし、衝撃ではねた小石のようなものが4年生男児の左腕に当たったが、けがはなかったという。
 学校は授業を打ち切り、午後1時すぎに全校児童を下校させた。喜屋武(きゃん)悦子校長は記者団に「許しがたい。憤りを感じております」と話した。
 在沖米海兵隊は、落下物は海兵隊の大型輸送ヘリCH53Eのコックピットの左側の窓と認めた。「極めて深刻に受け止め、原因を調査している。住民に不安を与え、おわび申し上げる」とのコメントを出した。
 現場を視察した翁長雄志(おながたけし)知事は、記者団に「沖縄だけが危険な目に遭い、子どもたちや県民の生命財産が脅かされている。差別的な安全保障のあり方を、政府と米軍にしっかり伝えないといけない」と語った。
 政府は、米側に原因究明と再発防止を求め、同型機の安全が確認されるまでの飛行自粛を申し入れた。菅義偉官房長官は会見で「学校の関係者のみならず、沖縄県民の方々に不安を与えるもの。あってはならない」と述べた。
 在沖海兵隊ナンバー2のポール・ロック准将は午後、県庁を訪れ「心からおわびを申し上げたい」と謝罪。落下事故後は同型機を飛ばしていないと説明した。富川盛武副知事は「一歩間違えれば人命に関わった。こういうことが続けば日米安保にも大きな影響が及び、協力体制にひびが入りかねない」と抗議した。
 宜野湾市では今月7日にも、近くの保育園の屋根の上で米軍ヘリCH53Eの部品が見つかっている。10月には東村高江で同型機が民間の牧草地に不時着し炎上する事故があった。(小山謙太郎、岡田将平)
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 〈米軍普天間飛行場〉 宜野湾市の中央に位置し、約480ヘクタールと市面積の4分の1を占める米海兵隊の基地。沖縄戦沖縄本島に上陸した米軍が集落をつぶして建設し、戦後も住民は周辺に居住地を指定されたため、基地を囲むように市街地が形成された。日米は1996年に全面返還に合意したが、県内移設の条件が付き計画は迷走。政府は今年4月から名護市辺野古沿岸部の埋め立てを始めたが、翁長雄志知事は県内移設に反対している。