以下、朝日新聞デジタル版(2018年4月16日17時29分)から。
防衛省は16日午後、これまで「存在しない」としてきた自衛隊のイラク派遣の際の活動報告(日報)を公表した。同省幹部によると、日報の複数の箇所で「戦闘」という文言が記されているという。「自衛隊の派遣先は非戦闘地域」としてきた当時の政府の説明と、派遣部隊が拠点としたイラク南部サマワ周辺の当時の情勢との「乖離(かいり)」が浮き彫りになる可能性がある。
小泉政権は2004〜06年、イラク復興支援特別措置法に基づいてイラク南部のサマワに陸上自衛隊を派遣。派遣部隊が日報を作成し、現地の治安情勢や部隊の活動状況を報告していた。この日公表されたのは、計435日分、約1万5千ページにのぼる。
当時の小泉純一郎首相は国会で、自衛隊の活動は「非戦闘地域に限る」と明言。憲法は「海外での武力行使」を禁じており、イラクでの活動が「他国軍の武力行使との一体化」ととられないよう、「自衛隊の派遣地域は非戦闘地域」などと答弁し、野党や世論の反対を押し切って派遣を強行した。
防衛省は今回、イラク派遣の際の日報について、外国から情報提供を受けた部分や部隊が行動する際の警備態勢などを除き開示したとしている。(土居貴輝)