財務省は、今回の疑惑について、「財務省」名で財務省として報道の「事実関係」を否定した。
政権としての政権による政権のための、お抱え弁護士もふくめた「作戦会議」の上での対応なのだろうが、唖然とせざるを得ない。
この「否定」は、大丈夫か。
ひとりの市民としての見方にすぎないが、政権瓦解状況がいよいよ本格化していく感がある。
イラク日報に象徴されるように、「ある」ものを「ない」ものにする*1。福島第一原発事故の汚染水問題のコントロール(管理)に象徴されるように、「ない」ことを「ある」ことにする。また、公文書改ざんに象徴されるように「あったこと」を「なかったこと」にする。元首相秘書官の柳瀬唯夫氏の記憶によって、「会ったこと」を「なかった」ことにする。前川喜平氏の授業にたいする嫌がらせに象徴されるように、前川氏の人格評価で「なかったこと」を「あったこと」のようにする。安倍首相からと昭恵夫人から100万円渡されたと証言しいまだに拘留されている籠池泰典氏をみても、安倍政権がいかにあべこべ政権であり、質問にまともに応えない*2、事実を認めない、はぐらかす、振り返らない、反省しない、悔い改めない、理屈になっていない屁理屈を言う、いわば、現政権が歴史と言語と文化を冒涜する悪徳・腐敗政権であるかは明白でないのか。
もし今回もまた隠ぺい・改ざんとなれば、改ざん隠ぺいハレンチ内閣のひとつの事例にすぎないということなのだろう。
あべこべ内閣は、道徳教育など語る資格のない改ざん隠ぺいハレンチ内閣である。長年教育に携わってきた者のひとりとして、道徳教科化にはもとより反対だが、道徳が教科化されたいま、いっそのこと今回の権力の腐敗ぶりの破廉恥さを道徳教育の教材として教材化したらどうか。
どうして、こんなに隠ぺい・改ざんに加担する政治家・官僚が増えてしまったのか。どうして"優秀"な"高等"教育を受けたとされる官僚と政治家の、無責任さと倫理観の欠如がこれほどまでに横行しているのか。深く掘り下げ反省しないかぎり、日本の未来はないのではないか*3。
録音された声の主は自分ではないと言うならいざ知らず*4、現政権を改ざん隠ぺいハレンチ内閣と認定することを否定し躊躇する材料は、今のところ見当たらない。
危機管理として、誠にお粗末な対応にしか思えない点で、政権瓦解状況がいよいよ本格化していく感があると書いた所以である。
以下、毎日新聞(4/16(月) 13:22配信 )より。
週刊新潮で女性記者に対する財務省の福田淳一事務次官のセクハラ発言が報じられた問題で財務省は16日、次官からの聴取結果を発表した。福田次官は「週刊誌報道で記載されているようなやりとりをしたことはなく、心当たりを問われても答えようがない」と事実関係を否定。新潮社に対し、名誉毀損(きそん)で提訴を準備していることを明らかにした。
ただ、財務省は「一方の当事者だけでは事実関係の解明は困難」と説明し、報道各社でセクハラ発言を受けた女性記者がいないか調査への協力を呼び掛けた。調査には外部の弁護士で対応するとしている。
今月12日発売の週刊新潮は、福田氏が複数の女性記者にセクハラ発言を繰り返していたと報道。福田氏は麻生太郎財務相に対し、「一つ一つのやりとりは定かではない。誤解を受けぬよう気をつけたい」と釈明していた。麻生氏は13日の閣議後記者会見で「事実とすればセクハラという意味ではこれはアウト」としつつも、現段階では処分しない意向を示した。
だが、その後、週刊新潮が福田氏とみられる音声データを公開。学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書の改ざん問題で財務省や安倍政権が批判にさらされる中、野党だけでなく与党内からも辞任を求める声が出ている。
福田氏は1982年、入省。主計局長などを経て2017年7月に次官に就任した。【岡大介】