「水島朝穂・早稲田大教授(憲法)の話」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2018年4月17日)から。

 陸上自衛隊イラク派遣時に小泉純一郎首相(当時)は国会で、自衛隊は「非戦闘地域」で活動する、という説明をした。憲法違反の指摘を免れるための苦肉の策だった。しかし、ロケット弾などによる宿営地攻撃などで危険な状態にあったことは明らかになっており、現実と建前の乖離(かいり)は明白だった。

 「自衛隊が活動する地域は戦闘行為が行われない」とする国会答弁のつじつま合わせのため日報を隠していた疑いがあり、森友学園問題をめぐる財務省の公文書改ざんと同じ構図だと考えざるを得ない。

 イラク派遣が原因で自殺した陸自隊員もいる。派遣の前提が崩れながら派遣を続けていたとすれば、責任の所在を明らかにするべきだ。公開された日報を含めて今後、英国などのようにイラク派遣について総合的に検証する必要がある。

朝日新聞社