以下、朝日新聞デジタル版(高陽〈韓国北西部〉=武田肇、牧野愛博2018年4月27日18時09分)
韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は27日、南北の軍事境界線をまたぐ板門店で11年ぶりの首脳会談を行い、朝鮮半島の「完全な非核化」を目標とすることを盛り込んだ「板門店宣言」に署名し、発表した。今年秋に、文氏が平壌を訪問することでも合意した。
南北首脳による会談は、2000年に金大中(キムデジュン)大統領が、07年に盧武鉉(ノムヒョン)大統領が、それぞれ北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記と平壌で会談したのに続いて3回目。板門店の韓国側の施設「平和の家」で行った。
文氏は会談で、?朝鮮半島の非核化?恒久的な平和の定着?南北関係の進展を主な議題とした。
非核化について、宣言は「南北は完全な非核化を通じて、核のない韓(朝鮮)半島を実現するという共同の目標を確認した」と明記。「北側がとっている主導的な措置が、半島の非核化のために大きな意味があり、重大な措置であるという認識で一致し、今後、それぞれが自らの役割を果たすことにした」として、北朝鮮側の取り組みを評価した。「南北は半島の非核化のため、国際社会の支持と協力のため、それぞれ努力していく」とも明記した。
また、停戦状態にある朝鮮戦争について、「休戦協定締結から65年になる今年に終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換する」と盛り込んだ。恒久的な平和の構築に向けて、韓国、北朝鮮、米国の3者、または中国を加えた4者による会談の開催を積極的に進めていくとした。(高陽〈韓国北西部〉=武田肇、牧野愛博)