コロナ禍の日本にあってはたしてウィンターシーズンはどうなるのか予想が立たない時期に、四季が逆の南半球のスキー場を参考にしようと考え、「南半球のスキー場」と題して、Lonely Planet guidebookを斜め読みしてオーストラリアとニュージーランドのスキー場についていくつか記事を書いたことがある。
オーストラリアには何度か訪れたことがあるし、アオテアロア・ニュージーランドでは、短期間だが8カ月ほど滞在したことがあるけれど、残念ながらこれまで南半球でスキーをやったことはない。
さてアオテアロア・ニュージーランドでは、北島でも南島でもスキーができる。
たいした内容ではないが、これまでの自分の記事をまとめてみると、北島は、トンガリロ(Tongariro)国立公園にあるファカパパスキー場(Whakapapa Ski Area)。このファカパパスキー場はMt Ruapehu(ルアペフ山)にあり、このルアペフ山の山頂を挟んだ対面にTuroa(トゥロア)スキー場もある。あと北島には、富士山に似たタラナキ山(Mt Taranaki)があり、ここでも火山スロープでスキーができるようだ*1。
南島は南極に近いこと。そして標高の高い山もあることから、スキー場は少なくないと想像される。南島では、Mt Hutt(ハット山)やハット山に近いMt Potts(ポッツ山)でスキーができるという。宿泊地としてはMethven(メスベン)とAshburton(アッシュバートン)がベースキャンプ。宿泊と食事は、スキー場から8キロ離れたポッツ山のロッジでも可能という。
あとQueenstown(クイーンズタウン)近くのスキー場のひとつが、Coronet Peakスキー場、等々。
概略として以上の情報をLonely Planet guidebookを斜め読みして紹介したけれど、なにしろ、アオテアロア・ニュージーランドでは実際にスキーをやったことがないし、本の情報からの引用だから、正確なところは確信がない。
そうした意味で、先日見た極東スキー振興局の「今すぐスキーがしたくなる動画【NZスキー2021】」は大変参考になった。
今すぐスキーがしたくなる動画【NZスキー2021】 - YouTube
極東スキー振興局の井上雄介氏は、現在、北海道はニセコとニュージーランドはカードローナを拠点に活躍されているスキーインストラクターであり、またYouTuberで、スキーというものの運動力学を丁寧に教えてくれる氏の動画はたいへん参考になる。井上雄介氏は、これまでイタリアをはじめ何十か国も海外を旅しているようだが、現時点ではニュージーランドをひとつの拠点に選んでいる。その理由は、北半球と南半球に半年ずつ滞在すれば、一年中スキーができる*2という理由以外に、スキー技術指導において、スキー大国でないにもかかわらず、本質・真髄をついて指導内容を簡素化する努力をしているニュージーランドの指導方式を井上雄介氏が評価している点があるようだ。これはすばらしいと思う*3。オールブラックスを生んだラグビー大国のアオテアロア・ニュージーランド。子どものときからタッチラグビー*4など広範囲の大衆を巻き込んだスポーツが盛んだ*5。その指導方法は、大衆スポーツも一流選手も同じ技術指導を受けて成長している。井上氏によれば、それはスキーも同様だという。広範囲にわたる一般指導も一流競技者へのスキー指導も同じ技術指導だという。これはまさにアオテアロア・ニュージーランドらしく大いに好感が持てるではないか。
この動画によると、南島のワナカ(Wanaka)あたりから車で南島のスキー場にアクセスしている印象があるのだが、この動画で紹介されている南島のスキー場は以下のとおり。
〇トレブル・コーン(Treble Cone)
Skiing & Snowboarding At Treble Cone Ski Area | Treble Cone, New Zealand | Treble Cone
〇カードローナ(Cardrona)
Ski, snowboard, bike, cart & more in Queenstown & Wanaka | Cardrona NZ
このカードローナは、井上雄介氏のベースゲレンデのようだ。
「今すぐスキーがしたくなる動画」とあるように、またアオテアロア・ニュージーランドを訪れてみたいという気持ちにさせられる動画であった。
*1:アオテアロア・ニュージーランドを車で周遊したときタラナキ山を遠方から眺めたことがある。富士山に似た山で、登山を侮ってはならず、自然環境は厳しいと聞いた。タラナキ山の麓のオプナキに居候を決める - amamuの日記
*2:井上雄介氏はニュージーランドと日本で年間最低で200日は滑っているという。
*3:日本の場合、教育現場のまともな教育思想が政治的に捻じ曲げられることが多い印象があるが、アオテアロア・ニュージーランドでは、日本に比して、教育現場でのまともな教育思想が政治的に捻じ曲げられることが少ない印象がある。機会はそれほど多かったとはいえないが、これらはアオテアロア・ニュージーランドの教育現場を実際に観察しての印象である。学校で大切なことは、教育権と学習権 - amamuの日記 (hatenablog.com)
*4:タッチラグビーに似たコトバで、タグラグビー(tag rugby or flag rugby)というものがある。タグラグビーも、ラグビーを基本にしているが、競技者はベルクロタグのついたベルトやベルクロパッチのついたパンツを着用し、ボールをもったプレーヤーにタックルではなく、タグのついたベルクロを引っ張ってタックルの代わりとする。タッチラグビー(touch rugby)も、もちろんラグビーを基本にしているが、タックルをタッチに置き換えている。タッチラグビーもタグラグビーもラグビーを基本としているので似ているが、タグラグビーのほうがよりラグビーにより近いと言われている。ラグビーなどのコンタクトスポーツは危険であるが、100%の安全性の確保は不可能であっても、安全性を高めることはできるし、そうしなければならない。アオテアロア・ニュージーランドは、そうした姿勢と実際の実践力が高いという印象がある。
*5:これは、スポーツの技術面ではなく、精神性についてのことではあるが、ニュージーランドが大切にしていることを聞いたことがある。ニュージーランドのスポーツで大切なこと - amamuの日記 (hatenablog.com)