T/Cを買って、最初のサインをどうするか迷ったが、ローマ字にした。IDの署名はローマ字英語表記で、クレジットカードは漢字で書いてある。署名というものは本来1個しかないものなのに、私の場合は混乱している。もっとも説明すれば理解してくれるが、中には嫌味な奴もいるので。
コンド(condo)に戻り、お世話になったウェイトレスに挨拶しようと思い、coffee houseに寄る。いつもとは違う中国系のウェイトレスに”Coffee, please.”と言って、チョコレートケーキも注文すると、メニューを持ってくる。ああ、英語がわからないのだなと気づくいて、どうしようかと考えていたら、いつものwaitressが来た。「明日出ます、どうもありがとう」と言うと、「日本へですか」と言うので、「旅に出る」と答えて、楽しくお喋りをする。私の名前の漢字を見て彼女が驚いたことが忘れられない。私の漢字名を中国語の発音で発音してくれた。
その足で、グレイハウンドに行き、Ameripassを購入する。1ヶ月有効で、$346.45(約7万円強)だった。これでバスに乗り放題で、車中泊も何回かすることになるから、宿代が浮くことを考えれば、安いかもしれない。
帰りのエレベータに乗ると、「待って、待って」と南米系の人が乗り込んできた。”What floor?”と聞くと、同じ階だった。例によって沈黙を破るかのように「ここに住んでるの」と聞かれたので、「ええ、でも明日ニューヨークめざしてサンフランシスコを離れます。U.C.Berkeley San Francisco Extensionの学生だった」と言うと、「ニューヨークは、勉強?」「いえ、旅で、その後日本に帰ります」と、楽しく話が弾んだ。
いろいろとしてもらわないといけないことがあるので、今日は話をしたが、甘えず、落ち着いて、してもらいたい要件を短く話せば、驚くほどコミュニケートする。用件があるのは自分なのに、もじもじしたり、でれでれしたり、自分から諦めてしまうのが一番いけない。この意味で私が学ばなければいけなかったことは、カラッとした性格なのかもしれない。
6ヶ月間、inputに徹し、せっかく外国にいながら、外国人とあまり話をしなかった。自問自答、self-debateの毎日だったが、これも一つの方法だったと今では思う。つまらなそうな顔をしていると、”Take it easy!”とよく言われたが、私の英語力ではoutputとinputとも満足行くものではないので、今の段階は少し余裕が出てきたところだ。わからないことも多いのだが、”Pardon?”と間をおいて言うことができる。留学開始の頃の自分は、諦めたり、しどろもどろでかみ合わないことが多かったのだが。
今日、ニコラのところに、自分が使った鍋とか食器、ギターを渡し、いろいろな人にささやかなプレゼントをし、明日、出発になる。
どこに行くかはこれから決めるが、RenoかSan Diegoか。1ヶ月は、outputとinput、どちらも鍛えようと思う。サンフランシスコも忘れて、積極的に。