私の大学院選びの風は、ハミルトンに向かって吹いているようだ

 昼飯後、インターネットカフェに来てメールチェックをするが、UQの教授からの返事はまだない。が、ワイカト大学(The University of Waikato)の教授のパートナーからはすでに返事が来ている。私のメールを旦那さんに転送してくれたらしい。ワイカト大学の方が反応(リスポンス)が圧倒的によい。
 UQからの返事をいつまでも待っていても仕方がない。午後はB級映画を見に行って、オライリーゲストハウスの予約の確認をすることにしよう。夕飯は中華でしめて、ブリズベンには明朝でサヨナラである。熱帯雨林のすばらしさに二日間感動して、オークランドで一泊して、日本に帰ることにしよう。そう、すでに私は気持ちを固めていた。
 映画館に行くと、「50回もの初デート」という映画をやっていた。ラブコメディの路線である。こういう映画の方が疲れなくていい。たしかに、B級映画だったが、最後の方で泣かせるシーンもあり、まずまずの映画であった。美男・美女ではない配役が今回の映画のよさを引き立てていた。音楽もよくて、IZという、すでに亡くなったが、ハワイの音楽家がいて、この人のウクレレで歌う「虹の彼方に」(”Over the Rainbow”)が扱われていた。聞き方によってはこれはストーカーまがいの歌になるのだが、スティングのEvery Breath You Takeという曲も今回の映画に流れていたが、なかなかいい選曲だ。
 その昔、サンフランシスコに半年暮らしたときは、英語学習のため、映画ばかりを見ていたことがあって、これがいわば私の英語の修行時代である。その時から比べると、100%ではないけれど、ラブコメB級映画くらいなら、私の英語でも十二分に楽しめるようになっている。音楽の選曲も、それなりに修行を積んだので、選曲のセンスもそれなりにわかる。一時は選択授業で、映画で英語を教えたりもしたが、あれやこれやで忙しく、教育実践をさらにすすめることはできなかったし、あれやこれやと忙しく、日本じゃ映画を見る暇もなくなっていた。年間に1本も見ない年もあったのではないか。サンフランシスコにいたときは、半年くらいで120本くらいは観たというのに。ところで、今回の旅では幸運なことに3本の映画を見ることができた。今の私の生活は、大変情けないことに、海外でないと映画も観ることができないような生活なのである。
 再度、インターネットカフェに行き、UQの先生には、もうブリズベンを去るので残念ながら今回はお会いすることができませんとこちらからメールを出し、オライリーゲストハウスに二泊したいという予約確認のメールを出した。UQの教授に、「また今度と」とメールを出して、オライリーに予約のメールを入れた矢先に、そのタイミングを見計らうように、UQの教授からのメールが来た。その内容は、「返事が遅れてすみません。明日の朝なら空いています」という内容である。あーあ、なんてことだ、もう遅いよ!