環境が違うと随分勝手が違う

 まず世話になるジェニー(仮名)に電話をしないといけないのだが、アメリカドルを全く持っていないので、ATMを使ってクレジットカードで40ドルほど引き出す。これはむずかしくない。
 問題は、どこでテレフォンカードを買えばよいのかがわからない。近くにいるアメリカ人に聞いて、ニューススタンドで買えばよいということがわかった。
 一番安い10ドルのテレフォンカードを買ってみたが、今度はその使い方がわからない。
 いろんな人に聞いても、らちがあかないのは、テレフォンカードなんて使ったことのない人が多いからのようだ。電話に関心があっても、携帯電話を持っているから公衆電話の使い方なんて知らないし、もとより公衆電話なんて関心がない人が多いに違いない。
 人の流れを見ていてもニュージーランドと違うなと思うことは、やはり黒人の多さである。
 ニュージーランドマオリの問題を抱えこまざるを得なかったといえば、合州国は黒人の問題を抱え込まざるをえなかったわけだ。先住民からすれば、ヨーロッパの問題を抱えざるをえなかったと言うべきなのだろうけれど。
 それで、公衆電話についてようやくわかったことは、11桁の電話会社の電話番号にまず電話をして、英語をお望みなら、1番を押し、スペイン語をお望みなら、2番を押す。それからPINというカード固有に与えられている番号を、これは裏面にシールで隠されているので、それをはがして確認し、そのPIN番号の10桁を押す。それから1番を押して、市内局番も含めて、個人の電話番号を押す。これで11桁にもなるから、都合34桁にもなる番号を押さないと、知り合いの携帯電話につながらないのであった。
 この件で一番親切だったのは、清掃をしている黒人のおばさんだった。
 この黒人のおばさんは、自分では経験がないながらも、「裏面のシールを剥してPINを確認するんじゃないかな」と、私に対してとても親切につき合ってくれた。
 こうして、知り合いの車で空港まで迎えに来てもらったというわけである。ホテルにチェックインして、シャワーを浴びて、コーヒーを飲んで、やっと一息ついたというわけである。
 それから、ホテルに入ってニュージーランドと環境が違うと気づくことは、コンセントである。
 コンピュータやデジタルカメラiPodなど、最近のハイテク器具は、ボルト数に関係がないから、コンセントの差込の形状に問題なければ大丈夫だ。アメリカ合州国の場合は、形状が似ているから、なんとか大丈夫のようだ。
 時差の点でいうと、カリフォルニア州と日本との時間差は、17時間ほど前になる。