ジェニーの仕事と人間としての経済的一人立ち

 ジェニーの旦那がエンジニアであることは、すでに何度も紹介したが、ジェニーは、ロサンゼルス空港で働いている。
 つまり、彼らはダブルインカムである。そして、その収入はそれぞれが管理している。クレジットカードやデビッドカード、支払いの方法もそれぞれが好みの方法で、やっている。つまり、彼らは金銭的に独立している。
 これは、いつでも離婚できるようにするためだ、というのは意地悪な書き方だが、きわめて乾いた関係を築き、双方の独立性を保つためであることは間違いない。
 あのジョン=レノンが初期の典型例だが、女性が外で働き、男性が家で家事をするというパターンを、トニーとジェニーもしたようで、ジェニーが仕事から帰ると、娘のジュリアが真っ裸で、庭を走り回っていたらしい。
 トニーは自然流育児で、ジェニーはしばらくの間、そうした育児方針に全くついていけなかったという。私は、トニーが、あれほど子どもたちのことが好きで、子どもたちも父親を慕っている理由がわかったような気がした。
 日本人が、納豆のように、ねばねばと情念がからむ人間関係を築いている一方で、アメリカ人の人間関係は、甘納豆のように、ぱさぱさと乾いている。
 到底、日本人の考え方など、彼らはついていけないだろう。
 それでも、アメリカ合州国に行き詰まりも多少はあるせいだろうか、日本に対する興味も増しているようだ。