まず、「瞑想」の時間があるというので、見学に行く。
ラジカセでマオリの音楽をかけて、女性の教師が話をする。生徒たちは、床に転がっていたり、座禅のようにして、みな眼をつぶっている。
登校した生徒たちが、心安らかにする時間なのだろう。
私立の宗教学校のショートホームルームや、最近の日本では、朝の時間は「黙読」の時間として活用し授業前に生徒の心を落ち着ける教育実践があるが、形は違っても趣旨は同様のものに違いない。
中にはぐっすりと眠っていたような生徒もいたが瞑想の時間が終わり、軽く柔軟体操をやってウォーミングアップをし、それからダンスに移り、ハカ、そしてワイアタ(歌)へと移る。
マオリにとって歌や踊りが生活の中心になっている実情を私は少し理解できたような気がした。
こうした歌や踊りを指導しているのは、なんと校長である。
生徒はみな裸足で、元気にハカや唄を歌っていた。