ボートキーのひとつのパブに入ったら、ビールが16ドルもする

 ボートキーにロンリープラネットガイドで名前を聞いたことのあるバーがあったので、そこに入ってみた。
 ライブ演奏が始まりそうなので、ビールを頼もうとしたら、品数が少ない。ニュージーランドではほとんど見かけないハイネッケンなどのビールもある。
 ハイネッケンはいいビールではあるが、値段が少し高く、面白みのないビールだ。その中からアイリッシュのキルケニーを頼んだら、ハッピーアワーだというのに、16ドルもする。私は思わず、「そんなにするの」と聞いてしまった。せっかくのいい雰囲気のパブなのに、こんな値段でビールを飲む気がしない。これが東京なら、文句なし。私の金銭感覚には相当キーウィ的な感覚が入ってきてしまっている。
 それで、なかなか演奏が始まらない。音合わせばかりしていてうるさい。音合わせが長いというのはなんとも興醒めだ。
 バーマンが、ハッピーアワーが終わるので、何か注文はないかという。まだ全部飲んでないから、いくらハッピーアワーだと言っても次のビールを注文するわけにもいかない。
 「もう一杯いかがですか」というバーマンに対して、「まだいい」と私は言ったのに、そのバーマンは間違えて私にお代わりをもってくる始末である。店の雰囲気は非常にいいのに、なんとも最悪だ。
 私は雰囲気はいいが、値段がべらぼうに高いそのパブを出て、食事もしないで、この素晴らしい雰囲気の川沿いのボートキーを離れることにした。