いくつになっても徒歩旅行や自転車旅行が楽しめる人間になりたいものだ

 ところで、娘が南島を回っている際に、自転車で旅をしているカナダ人の若い女性に遭遇したという。彼女は以前タバコを吸っていたのだが、自転車で旅をするようになってから健康的になったという。これから比べると、私の娘も南島のあちこちをトランピング*1してきたから、第三者からみると、健康そのものということになる。
 いまや自転車で日本を回ろうというアイデアも彼女は持ち始めたようで、以前の彼女からすれば、これはかなりアウトドア派への脱皮ということがいえる。
 徒歩旅行や自転車旅行など、やる気になりさえすれば、誰にでもできると私は思ってきた。実際、それほどむずかしいものではない。日本には、お百度参りなどの伝統もある。こうしたものに大切なことは、時間の確保と意欲、考え方の柔軟さだけである。ただ、これが現在の日本ではむずかしい。奴隷状態で働かされている現代の日本人には、大変情けないことに、これらが決定的に欠けているのだ。
「時間の確保と意欲、考え方の柔軟さ」と今書いたけれども、若い人なら、これらの条件があるはずだ。若者には、こうした特権を大いに生かしてもらいたいし、われわれ大人だって、なんとか奴隷状態から抜け出して、徒歩旅行や自転車旅行を大いにすべきであるというのが長年の私の持論である。
 娘がこうした考え方に共感してくれたことを、素直に私は嬉しく思った。これは、いわば同志的きずなに他ならない。

*1:トランピングは、ハイキングのこと。オーストラリアでは、ブッシュウォーキングというが、ニュージーランドでは、トランピングと呼ばれることが多い。