「教員の質」を上げるためには、免許更新制よりも、学びあうこと

amamu2007-02-23

 今日の朝日新聞に「教員の質」の問題がテーマとして、三人の教育関係者の発言が紹介されている。
 上越教育大学助教授である佐久間亜紀氏の「実証的なデータはないのに、一方的な決めつけで議論を進めるのは、あまりに乱暴だ」という指摘は、最近の教育論議のありがちな傾向を指摘していた。実証的なデータがないのに、言いがかりや印象でモノを言いながら、現場を攻撃することが最近は主流になってきたから本当に始末が悪い。
 佐久間氏は「教員免許更新制は、教員の人材確保さえ難しくするだろう」と免許更新制について主張され、「保護者からは尊敬されなくなり、管理が強化され、給与の削減が打ち出される中で、資格まで有効期限つきになれば、優秀な若者ほど、ほかの職業を志向するのが自然ではないか」と予想している。
 教員の質をあげるには免許更新制よりもむしろ、「校内研修」制度を活用すべきと主張され、これまでは、「教員が集まって問題点や対応方針を検討する「授業研究」が盛んに行われ、判断力や指導力を高め合ってきた。 近年、忙しさから十分や準備の時間が取れず、校内研修が形骸化する学校も目立っている。学級の状況を把握し、とっさに判断し、対応するという高度に専門的な能力は、現場の研修を通してしか身につけられない」と指摘されている。
 自主的な研修が重要であるという点は、別の元都教委統括指導主事の発言でも、「これまでは、教科研究会や校内研修、自主的な勉強会で、自らの問題意識で研究をし、授業力を高めあい、悩みも本音で相談できた。そうした場が失われているのだ」という発言からも裏打ちされていた。