以下、朝日新聞デジタル版(2018年9月29日11時52分)から。
親日家として知られるマレーシアのマハティール首相が28日午後(日本時間29日未明)、米ニューヨークの国連本部で会見し、日本で憲法改正の動きが出ていることに「戦争に行くことを許すようにするなら後退だ」と述べた。以前から日本の現行憲法を評価し、日本の憲法を参考に自国の憲法改正を検討しているという。
マハティール氏が首相として国連総会に出席するのは2003年以来。一般討論演説では「世界は道に迷っている」と述べた当時の演説を引き合いに、「15年たっても変わっていない。ずっと悪い状況になり、経済的、社会的、政治的に混乱のさなかにある」と指摘。24分の演説で「平和」との言葉を7回使った。
その後の会見で日本の憲法について質問を受けると、「(我々は)戦争に行くことを許さない日本の現行憲法に続くことを考えている」と言及し、憲法改正の動きにクギを刺した。マハティール氏は8月に訪日して福岡県で高校生を前に演説した際も「日本には模範とすべき平和憲法がある。マレーシアでも同様の憲法を作りたい」と意欲を示していた。
国連本部での会見では、米国の記者が93歳という年齢と見た目とのギャップについて、「若さの秘訣(ひけつ)」を問う場面も。マハティール氏は苦笑いし、「秘訣(ひけつ)はないが、喫煙も飲酒もしないし、運動をして、よく寝ている」と答えていた。(ニューヨーク=藤原学思)