以下、時事通信(9/30(日) 21:41配信) より。
沖縄県の翁長雄志知事の死去に伴う知事選は30日、投開票された。
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設の是非が争点となり、翁長氏の後継で移設阻止を掲げた前衆院議員の玉城デニー氏(58)が、移設を進める安倍政権の全面支援を受けた前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)=自民、公明、維新、希望推薦=ら3人を破り、初当選した。移設をめぐって国と対立した翁長県政が継承される。
政府側は知事選の結果に関係なく工事を進める構えだが、移設反対の民意が改めて示されたことで計画の進捗(しんちょく)に影響するのは必至。県政奪還の失敗は、自民党総裁選で連続3選を果たしたばかりの安倍晋三首相にも打撃で、来年夏の参院選に向け、与党内で首相への不満が強まる可能性がある。
投票率は63.24%で前回を0.89ポイント下回った。期日前投票は有権者数の約35%に当たる40万6984人に上り、前回の2倍を超えた。
玉城氏は30日夜、那覇市内で記者団に「辺野古に新基地を造らせないという誓いを全うする。県民の思いをしっかりと政府に突き付ける」と述べた。
玉城氏は、翁長氏後継を前面に打ち出し「弔いムード」を演出、辺野古移設を「あらゆる手段で阻止する」と訴えた。国には頼らない、沖縄の自立型経済を目指すとの主張も共感を集めた。翁長氏を支えた「オール沖縄」勢力の後押しを受けて支持を広げ、国政野党の政党色を抑えたことも功を奏した。
佐喜真氏は辺野古移設の是非には触れず、「対立から対話へ」を旗印に政府との協調をアピール。振興予算を呼び込み、県民生活向上を目指すと訴えた。自民、公明両党は党幹部が沖縄に常駐するなど異例の態勢で支援。菅義偉官房長官や自民党の二階俊博幹事長らも相次いで沖縄入りしたが、及ばなかった。
首相は30日夜、「本当に残念だ」と自民党幹部に語った。二階氏は「敗因をよく分析し、党組織の拡充強化に努めつつ、県民の期待に応えられるようさらに研さん努力する」とのコメントを出した。